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トランプが決めたことに文句は言えない「文化大革命時代の中国とそっくり」毛沢東との共通項

Trump’s Goal Is Chaos

2024年12月5日(木)10時40分
ハワード・フレンチ(コラムニスト)

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バルコニーから拍手をする毛沢東 BETTMANN/GETTY IMAGES

学問は捨てろ。伝統には敬意を払うな。それが合言葉で、有能な管理者・経営者が徹底的に批判され、教育制度は破壊され、大学は実質的に機能を停止していた。

その一方、あの時代には毛沢東への絶対的な忠誠が求められた。権力の上層部にあってあの時代を生き延びるには、ひたすら毛沢東にこびを売るしかなかった。彼の知恵に疑問を呈する者(例えば当時の国家主席だった劉少奇)には解任と追放、そして死が待っていた。

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毛沢東の仕掛けた文化大革命で天安門広場を埋め尽くした若者たち BETTMANN/GETTY IMAGES


トランプへの絶対的忠誠

11月5日の米大統領選でドナルド・トランプが当選を決めて以来、筆者は何度もあの時代に思いをはせた。今でも中国では最悪の時代として記憶され、表立って口にすることもはばかられる時代だ。

復活を果たしたトランプの下で、アメリカが文化大革命並みの破壊と混乱と暴力を経験することになると、予測するつもりはない。アメリカの多元主義と長い歴史に裏付けられた民主主義の制度は頑強だから、あんな運命は回避できる。そう信じたい。

しかし絶対に大丈夫と言えるほどの自信はない。政権移行のプロセスはまだ始まったばかりだが、往時の中国との類似点が多すぎるからだ。

例えば、トップに立つ者への絶対的な忠誠心について考えてみよう。テキサス州を地盤とする共和党下院議員のトロイ・ネールスは最近、トランプを評してこう語っている。

「あの人には天から授かった使命があり、その目標と目的の全てを、私たちは一言一句、受け入れる必要がある。ドナルド・トランプが1メートルジャンプして頭をかけと言ったら、みんな1メートルジャンプして頭をかくんだ」

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