【本誌独占インタビュー】トニー・ブレア英元首相が語る「中東和平への道」

BLAIR ON LEADERSHIP

2024年11月20日(水)16時23分
ナンシー・クーパー(本誌グローバル編集長)、クリストファー・ロバーツ(デジタル出版担当副社長)、バーニー・ヘンダーソン(コンテンツ・ディレクター)

さらに、この2点を軸に恒久的停戦状態で交渉を続けることでも合意した結果、暴力がなくなった。それでムードが大幅に改善したのは言うまでもない。合意に達することは不可能ではないのだ。

実際、国際社会のほとんどの人々は「2国家共存」が正しい解決策だと少なくとも考えてはいる。つまり、合意済みの目標はある。問題は、2国家解決策が可能だとイスラエルとパレスチナ、それに中東が考える環境をどうつくり出すかだ。それにはまずガザから着手しなければならないだろう。

ガザでの戦争を止める必要があり、戦争を止めるにはイスラエルがガザを統治すべきではなく、ハマスがガザを統治すべきでもない、と合意する以外にない。


もちろんアメリカは合意する。だが当事者(イスラエルとパレスチナ)は合意しそうにない。それでもいずれは合意すると思う。合意した場合、次に取るべきステップは何か。

欧米あるいは当事者の次なるステップとして望ましいものの1つは、合意後に誰がガザを統治するかについて計画を策定し、人質を解放すること。そして、(ガザ住民の)状況(改善)に取り組む。私はイスラエルを強く支持しているが、ガザの人々が置かれている状況は明らかに絶望的で違法だ。そうした状況を終わらせなければならない。

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