【本誌独占インタビュー】トニー・ブレア英元首相が語る「中東和平への道」

BLAIR ON LEADERSHIP

2024年11月20日(水)16時23分
ナンシー・クーパー(本誌グローバル編集長)、クリストファー・ロバーツ(デジタル出版担当副社長)、バーニー・ヘンダーソン(コンテンツ・ディレクター)

──アメリカは影響力にものをいわせてイスラエルに圧力をかけるべきだと思うか?

そう思うが、単にイスラエルに圧力をかければ済む問題ではない。双方がフェアだと思える計画が必要だ。計画ができたら、どうすれば適切な「処方箋」を作れるか考えられる。


アメリカは自ら望めばこれらのことができる影響力を常に持っている。私が不思議に思うのは、アメリカが妙に自信を失っていることだ。アメリカはこの数年で危機を乗り越えてきたと思うし、間違いなく世界一の強国だ。問題はその力をどう使うかだけだ。

アメリカの軍隊は世界でも群を抜いて最大かつ最良で、経済は最も回復力がある。天然ガス産出量は世界最大、主要なIT企業は全てアメリカの企業だ。

アメリカは大変な強国だ。どの国も遠く及ばない。

打開策はあると私は確信している。(暫定自治に代わる)案がなければ──イスラエルもハマスもガザを統治すべきではないので──ガザは完全な無政府状態に陥り、そうなったら非常にまずいだろう。

──イスラエルがイランの代理勢力を弱体化させている結果、世界はその目標に近づくと思うか。

中東の情勢不安はイランの活動に起因している。私の考えでは、それについては疑いの余地がない。イランの国民は私たちにとって問題ではない。イランは偉大な文明国であり、素晴らしい才能を持つ人々もいる。アメリカやイギリスに渡って偉業を成し遂げている人も多い。

だがイランは革命を輸出すべきだと信じ、そのために代理勢力を利用している。レバノンをヒズボラから解放する必要がある。

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