アメリカの歴史に名を残す「トランプはこの100年で最も力強い政治家に」地滑り的勝利には理由がある

LIVING IN THE AGE OF TRUMP

2024年11月18日(月)17時18分
サム・ポトリッキオ(本誌コラムニスト、ジョージタウン大学教授)

newsweekjp20241114053239-0f8cf5586e666a314b284f5437674710ef59f1a6.jpg

10月にはフロリダ州で中南米系リーダーと座談会を行った MATIAS J. OCNERーMIAMI HERALDーTRIBUNE NEWS SERVICE/GETTY IMAGES

イギリスでは保守党が歴史的大敗を喫し、フランスでは与党連合が議席の33%を失った。オーストリアの与党は議席の30%近くを失い、日本の自民党も史上まれに見る大敗を喫した。ただ負けるだけではなく、与党はどこでも惨敗している。

16年の大統領選の時と同様、トランプは予備選の段階から選挙戦を支配していた。誰が民主党の大統領候補になろうと、野党のトランプ側にアドバンテージがあった(民主党にスーパースターが生まれていたら話は別だっただろうが)。


ハリスがバイデンの支持率を上回った時期はある。しかしそれも、彼女自身のパフォーマンスの結果ではなく、単に彼女が現職の大統領ではないという事実に由来するものではなかったか。

かつての反乱者トランプが復活に成功したのも、彼の特別な資質というより、彼に強力な追い風を与えた外的状況のおかげだ。人間が情報を処理する際の非合理的な習性も彼に味方した。統計的に見ればインフレ率は落ち着いてきた。

賃金の上昇率はインフレ率を上回り、アメリカ経済は堅調だ。しかし、とある識者は指摘している。「自分の給料が上がるのは自らの努力と才能の結果だが、物価が上がるのは政府のせい。そう思うのが人間の心理だ」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米スタバ労組、ブラックフライデーにスト拡大 賃上げ

ビジネス

カナダGDP、第3四半期は年率2.6%増 予想大き

ワールド

米国務省、アフガン国籍者へのビザ発給停止

ワールド

スイス国民投票、超富裕層への相続税強化案を大差で否
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批判殺到...「悪意あるパクリ」か「言いがかり」か
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 6
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中