最新記事
ガザ侵攻

バイデン政権は最後に飢餓直前のガザを見捨て、人道支援よりイスラエルへの武器輸出を優先した

US to Continue Israel Arms Transfers Despite Critical Report on Aid to Gaza

2024年11月13日(水)18時03分
マシュー・インペリ

国務省のマシュー・ミラー報道官は11月4日、ガザへの援助物資の輸送を改善するために示した条件に対するイスラエルの対応を「不十分」と批判。アントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官は連名で10月13日にイスラエルに書簡を送り、イスラエルが具体的な対応を見せなかった場合、アメリカは軍事支援を停止する可能性さえ示唆していた。

オックスファム、ノルウェー難民評議会、セーブ・ザ・チルドレンなど8つの人道支援団体が11月11日に発表した報告書によると、イスラエルはアメリカが求めた基準を満たしていなかった。

「イスラエルは、人道的対応への支援を示すアメリカの基準を満たせなかっただけでなく、特にガザ北部で、現地の状況を劇的に悪化させる行動をとった」」と、報告書は述べている。

たとえば、1カ月以上にわたって食糧の供給がほとんど途絶えているガザ北部では、イスラエル軍が援助を許可したにもかかわらず、国連は、援助物資の大半を届けることができなかったと報告した。ガザでは報道機関の独自取材をイスラエル軍が認めていないため実態はわかりにくいが、この地域の混乱とイスラエル軍による制限が支援物資の配給を妨げたようだ。

ガザ南部では、援助物資を積んだ何百台ものトラックが立ち往生している。国連によれば、略奪や無法行為の脅威など治安上の懸念や、イスラエル軍による制限のため、物資の運搬と分配ができない状態だ。

ニューズウィーク日本版 台湾有事 そのとき世界は、日本は
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月26日号(8月19日発売)は「台湾有事 そのとき世界は、日本は」特集。中国の圧力とアメリカの「変心」に強まる台湾の危機感。東アジア最大のリスクを考える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国外相がアフガン訪問、鉱物資源探査や一帯一路参加

ビジネス

米国株式市場=ナスダック・S&P続落、ハイテク株に

ワールド

NATO制服組トップ、ウクライナ「安全保証」米主導

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、トランプ氏のFRB理事辞任
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自然に近い」と開発企業
  • 4
    夏の終わりに襲い掛かる「8月病」...心理学のプロが…
  • 5
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    習近平「失脚説」は本当なのか?──「2つのテスト」で…
  • 8
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 9
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 10
    【クイズ】沖縄にも生息、人を襲うことも...「最恐の…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 9
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 10
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中