最新記事
野生動物

「危険」「命の危険を冒してる」...野生のゾウと正面から「にらみ合い」になってしまった緊迫映像

Tourists Have Terrifying 'Stand Off' With Elephant on African Safari

2024年10月12日(土)16時35分
スー・キム
ジンバブエのサファリでゾウと車がにらみ合いに

Yulia Lakeienko/Shutterstock

<ジンバブエではゾウと人が接触する機会が増加しており、政府は生態系への圧力が強まっているとしてゾウ200頭を殺処分する準備を進めていると発表した>

ジンバブエでサファリツアーに参加中、現れたゾウが道をふさぎ、車と「にらみ合い」になるという恐怖体験を捉えた動画がTikTokで話題となっている。ゾウは車と真正面から向き合い、威嚇するようにこちらに向かってくる場面もある。動画を見た人々からは「恐ろしい」「命の危険をおかしている」などの声が上がった。

■【動画】とてつもない緊張感...ジンバブエで自動車と野生のゾウが「にらみ合い」に 緊迫の映像が「怖すぎる」と話題

この身震いするような緊迫のシーンを撮影したのはTikTokユーザーの@tanyanikki93。「ゾウとのにらみ合い」と書かれているこの動画は、ジンバブエのビクトリアフォールズ地区でのサファリ観光中に撮影されたものだという。

動画には、未舗装の道路を走る車の前方に、立ち止まっているゾウが映されている。車が停止すると、ゾウは車をまっすぐ見つめ、車に向かって数歩歩いてくる。「お願い、通して」と話す声が聞こえる。

「動くのかな」「わからない」と人々が話をしている。

運転手が車のエンジンをかけ直し、前進すると、ゾウは後ろに下がり、道路脇に移動する。走り去る車から、茂みの中を歩いていくゾウが見える。

動画の説明文はこう書かれている。「恐ろしい瞬間だった。心臓がドキドキした! 大変なことになっていたかもしれない」

このゾウとの遭遇は、TikTokのユーザーたちに恐怖を与えた。「怖い」「危険だ」というコメントや、「ツアーガイドは命の危険をおかしている」という意見もある。

他にもさまざまな感想が寄せられた。「ゾウが車に向かって突進するかと思った」「これとは逆の展開を予想した」「車から降りて逃げようとは思わないよね」

ジンバブエ政府はゾウ200頭の殺処分を発表

ビクトリアフォールズ野生生物トラストによると、「伝統的なサファリエリアや野生動物の通り道で、人間の居住や活動による圧力が増し、ゾウは近隣の町へ進出している」といい、「ゾウが人間に対する恐怖心を失い、人間と密接に接触する状況になっている」。

ジンバブエには約8万4000頭のゾウが生息しており、国が持続的に養える5万5000頭をはるかに超えている。そうしたなかで同国の環境相は先月、深刻な干ばつと生態系への圧力の高まりを受け、ゾウ200頭を殺処分する準備を進めていると発表した。ジンバブエでのゾウの殺処分は、1988年以来となる。

この決定に対して、動物愛護団体は反発している。ジンバブエ自然資源管理センターのファライ・マグウ所長は、殺処分は象牙の違法取引を助長し、ゾウを保護する取り組みを妨げる恐れがあるとソーシャルメディア上で批判した。

「殺処分は止めなければならない」とマグウは述べる。「ゾウには存在する権利がある」

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイCPI、10月は前年比0.76%下落 7カ月連

ビジネス

日産、横浜本社ビルを970億円で売却 リースバック

ビジネス

カタール航空、香港キャセイ航空の全保有株売却 8.

ビジネス

米財務省、今後数四半期の入札規模据え置きへ 将来的
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイロットが撮影した「幻想的な光景」がSNSで話題に
  • 4
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 5
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 6
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 7
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 10
    若いホホジロザメを捕食する「シャークハンター」シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中