デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...メディアも閉め出し
Columbia’s Bad Choice

ヒントはカリフォルニアにもある。カリフォルニア大学アーバイン校でも学生が構内で野営をして抗議運動を行っており、警察による掃討は近いと思われた。付近では警官が、暴徒鎮圧用の装備を整え待機していた。
だが警察権力を盾に取ったシャフィクとは対照的な道を、カリフォルニア大学アーバイン校は選んだ。「わが校は全ての学生が、合法的な抗議運動を含め自由な言論と表現を行う権利を尊重する」と、声明を出したのだ。
言っておくがカリフォルニア大学は州立だ。州立大学はコロンビア大学のような私学よりも、警察の介入を防ぐのが難しい。
大統領にも責任はある
実際アーバイン市は事態に介入した。大学当局が声明を出して間もなく、ファラー・カーン市長はこう宣言した。「警察にはお引き取りを願う。学生が平和的に集まり抗議運動を行う権利へのいかなる侵害も、私は認めない」
市長は警察に撤退を求め、彼らはこれに従った。

アーバイン校で学生が警官に暴行されたという話は聞こえてこないし、警官が校舎に突入する不穏な映像も目にしない。それは地域の政治指導者である民主党のカーン市長と大学が、そうした行為に至る道を選ばなかったからだ。
翻って、犯罪への恐怖心をあおることで悪名高いコロンビア大学のシャフィクは、スキャンダルまみれで不人気な警察出身のアダムズ市長、および悪名高い市警と強い協調関係を築くことを選択した。
もちろん、責めを負うべき人物はほかにもいる。この結果を望んだニューヨーク選出の民主党議員やデモを断罪した上院民主党トップのチャールズ・シューマー、デモを批判し秩序の回復を優先したジョー・バイデン大統領にも責任はある。
しかしシャフィクは自らの意思で、リベラルな校風で知られるコロンビア大学を警察国家に変えることを選んだ。学長の座にある限り、シャフィクには強制排除のイメージが付きまとうだろう。もっともその任期がいつまで持つかは分からないが。
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