米大統領選挙後の近未来を予測「もしトランプが再選したら」その時、日本はどうなる!?
IF TRUMP WINS
イスラエル
トランプが当選することになれば、イスラエル支持の姿勢に反発してバイデンに背を向けた若い世代の動向が決め手になったと言われそうだ。
いま世論調査でトランプが先行している大きな要因は、一部の調査によると若者の支持率でバイデンを6ポイント上回っていることにある。
今までこの層の支持率はおおむねバイデンのほうが10ポイント以上高かったことを考えると、これは驚異的なことだ。
トランプ自身はパレスチナ問題に関してイスラエル側の立場に沿った発言を繰り返してきた一方で、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を厳しく批判してもいる。これまでの言動を基準に、トランプが2度目の政権でどのような中東政策を実行するかを判断することは難しい。
しかし、私が意見を交わした元米政府当局者の言葉を借りれば、トランプは無知な道化というよりも、狡猾な選挙の天才だ。
若い世代のバイデン離れの流れを止めないために、あえて自身のイスラエル政策を曖昧にしていると、この人物はみている。
日本
科学的研究によると、人が好む音楽は、高校時代に親しんだ曲である場合が非常に多いという。
私はこの法則の政治版を提唱したい。ある人の外国に対する姿勢は、主としてその人が中年期に差しかかる時期に形づくられると、私は考えている。
トランプは1987年、41歳の時、アメリカの有力紙に日本批判の全面広告を掲載したことがある。
1期目の日米関係は、安倍晋三首相(当時)がトランプを心理的にうまくコントロールしていなければ、もっと緊迫していたに違いない。
端的に言うと、トランプは日本が好きではない。
それでも、故・安倍への親しみの感情と、日本政府の防衛力強化の動きを考慮すると、2期目にも日米関係がそれほど深刻な状況に陥ることはないと、私は考えている。
しかし、トランプの日本への不信感は根深い。意に沿わない日本側の政策や発言に逆上したり、中国やロシアの入れ知恵で日本への反感を爆発させたりすることはあり得る。