金正恩一家の聖地が、若者の「映えスポット」化...露骨な「愛の行為」にふけるカップルには厳罰も
夜のデートに適した場所はここしかない
世界中どこに行っても「映える」スポットは大抵存在するが、朝鮮戦争で破壊され、再建後も無機質な住宅が立ち並んでいるだけ、というのが北朝鮮の地方都市だ。中国との国境に接し、外国人観光客が多く訪れる会寧だが、それでも大きな公園などは存在しない。
そんな会寧で、青々とした森、美しい芝生、夜中でも煌々と灯る明かりが存在する場所が、金正淑氏の生家とその周辺だ。電力不足が深刻で、犯罪が多発している今の会寧で、夜のデートに最適な場所はここしかないのだ。
「革命史跡地は神聖不可侵」という国の考えとは異なり、若者にとっては「お上がきれいに整備した史跡地」で、特に神聖な場所という考えは持っていないというのが、現地の別の情報筋の説明だ。
「会寧で国からの投資で花や木が植えられ、芝生があり、夜にも照明があるところは、金正淑氏の生家や銅像のある鰲山徳(オサンドク)の丘しかない。若い男女の出会いの場にあるのは当たり前だ」(情報筋)
当局は「資本主義遊び人文化の場所に成り果てた」として、違反者には厳罰を予告しているが、当の若者たちからの不満は大きい。
「小人閑居して不善をなす」というのが北朝鮮当局の基本的な考えだ。常に組織生活に縛り付けてプライベートの領域を少なくするのである。
革命をほっぽりだして、よりによって革命史跡地で二人だけになるのは不道徳極まりないということだろうが、上から押し付けられる思想より、韓流ドラマ、映画に描かれた世界に憧れる若者は、プライベートを大切にしたいという、正反対の考えを持っているのだ。
(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...)
[筆者]
高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト)
北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。関西大学経済学部卒業。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―』(新潮社)、『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)、『北朝鮮ポップスの世界』(共著、花伝社)など。近著に『脱北者が明かす北朝鮮』(宝島社)。
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