最新記事
ニューズウィーク日本版編集長が聞く!

「台湾有事」は本当に起きるのか? ウクライナ侵攻に世界で一番衝撃を受けたのは誰か 野嶋剛×長岡義博【第2回目】

2023年8月26日(土)10時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
野嶋剛, 長岡義博

Newsweek Japan-YouTube

<「ウクライナの二の舞」「中国はやりたい放題」...。台湾の人々がウクライナ侵攻をどう受け止めたのかをジャーナリストの野嶋剛氏に聞いた>

ここ数年で「台湾有事」がリアルに語られるようになり、中国の動きが注目されている。

台湾人はそもそも中国をどのように見ているのか。仮に台湾有事が起きたら、台湾人はウクライナ人のように戦うのか? なぜ日本にとって中台関係は他人事ではないのか? 台湾の専門家でジャーナリストの野嶋剛氏に本誌編集長・長岡義博が聞く。

本記事では、本誌YouTubeチャンネルの動画「第2回目 ニューズウィーク日本版編集長が聞く!ウクライナ侵攻に世界で一番衝撃を受けたのは誰か 野嶋剛×長岡義博」の内容をダイジェスト的に紹介する。

Newsweek Japan-YouTube
◇ ◇ ◇

 
 
 
 

「言葉の通じる外国人」

taidai2-20230825.jpg

台湾の独立を認める中国人がほぼいない一方で、台湾人はビジネス上、中国人と付き合わなくてはならない。実際のところ、台湾人はどんな思いで中国人と付き合っているのか。

かつては「兄弟」のような感覚を持っていた両国民だが、75年以上切り離れた今、感覚や観念がまったく異なる相手になってしまったという。

ビジネスで付き合う上では台湾人は「我々は同胞」と中国人に対して言うものの、実際には現在の台湾人にとって中国人は「言葉の通じる外国人」という認識であると野嶋氏は指摘する。

最近の台湾の若い世代は、中国文化を受容することについて敵対意識がなくなっていると長岡は指摘。それはなぜか?

中国文化はもはや自分たちのアイデンティティを脅かす存在ではなく、あくまで「外国文化」として需要されているにすぎないと野嶋氏は述べる。

台湾の人々はウクライナ侵攻をどう受け止めたのか

nojima2-20230825.jpg

台湾人にとって一番衝撃だったことは、ロシアによるウクライナ侵攻でアメリカが直接的に戦争に関与しないことだったのではないか。仮に中国が台湾を攻めてきたときにアメリカが何もしない可能性があるからだ。実際には台湾人はどう受け止めたのか?

ウクライナ侵攻直後に台湾で行われたシンポジウムで政治学者のフランシス・フクヤマが「台湾人よ、目を覚ませ」「このままではウクライナの二の舞になる」と発言。この発言は台湾社会にかなり響いたのではないかと野嶋氏は述べる。

仮にアメリカが台湾を守らないとなると、台湾はどういう選択肢を取るべきなのかという議論が起きている。

台湾人はウクライナ人のように戦うのか?

nojima3-20230825.jpg

仮に中国が攻めてきたときに、台湾人はどうするのか? 若い世代は国に留まる選択をする人が多いのではないかと野嶋氏は指摘。ただし、世代によってこれは割れるのではないかとも述べる。

これら国民認識や世論は中国による巧妙な認知戦にも影響を受けている。これは台湾だけでなく、日本も他人事ではない問題であるとの指摘も。

■詳しくは動画をご覧ください。

企業経営
ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パートナーコ創設者が見出した「真の成功」の法則
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECB、イタリアに金準備巡る予算修正案の再考を要請

ビジネス

トルコCPI、11月は前年比+31.07% 予想下

ワールド

香港大規模火災、死者159人・不明31人 7棟の捜

ワールド

プーチン氏、一部の米提案は受け入れ 協議継続意向=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 8
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 9
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 10
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中