最新記事
ロシア

「古代のガラクタ」「戦車が尽きた」...ロシア軍、ソ連時代の戦車を戦場に送りだす動画が話題に

Russia Sending 'Ancient' Tanks to Ukraine War as Military Struggles

2023年7月8日(土)19時53分
ニック・モルドワネク
ユーゴスラビアのT-55戦車

ユーゴスラビア紛争で使用されていたT-55戦車(1999年、ユーゴスラビア) RUSSELL BOYCE-Reuters

<ウクライナで4000台以上の戦車を失ったとも言われるロシアだが、いよいよ第2次大戦の主力戦車に頼らざるを得ない状況なのか>

ロシアの古い戦車の一群が戦場に向けて列車で移送されているのを見ながら、地元住民たちが噂話をしていると思われる動画がツイッターに投稿された。列車に載せられているのはT-55戦車で、撮影場所はロシア南西部にあるヴォロネジ州の州都ヴォロネジだという。

 

■【動画】「マンモス並みの古代兵器」「変な色」...ソ連時代の戦車が輸送されていく様子

投稿したのは、エストニア人軍事ブロガーの「Dmitri」(アカウント名@wartranslated)。T-55は、ソビエト連邦時代に開発された、第2次大戦後の主力戦車だ。ウクライナの軍関係者が6月に明かしたところによると、2022年2月24日にウクライナ戦争が始まって以来、ロシアは4000台以上の戦車を失っているという。

動画では、ヴォロネジ在住のあるロシア人が、移送されるT-55を眺めながら、そばにいる人に対して、「これらは、マンモス並みに古代のガラクタだ」と話している。「新しい戦車が尽きたから、古いT-55を投入しているんだ」

もう1人が「新しく見えるけど」とコメントすると、「変な色に塗ってあるだけだよ」と答え、運ばれているのはすべて同じモデルだと話している。

HIMARSがロシア軍の兵器を破壊する動画

ウクライナ戦争が始まって1年4カ月が過ぎたいま、ウクライナ軍高官は、反撃が良い方向へ向かっていると自信をみせる。同軍は7月4日、アメリカから供与された高機動ロケット砲システム「HIMARS」が、ロシア軍のロケット発射システムや榴弾砲などを爆撃する様子をとらえた動画を公開した。

ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は7月4日、「前線では先週、困難に直面した」とツイートした。「しかし、われわれは前進している。一歩一歩、前に向かっている。ウクライナを守っているすべての人、ウクライナの勝利を目指して戦っているすべての人に感謝したい。われわれの英雄に栄光あれ!」

このゼレンスキーの楽観的なメッセージが発信されたのは、ロシア軍がウクライナ東部バフムートで敵を撃退したとロシア国防相セルゲイ・ショイグが発表したすぐ後のことだった。バフムートは、今回の戦争が始まった直後からの激戦地だ。

ショイグは、民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジンが武装蜂起した際の標的となった人物でもある。プリゴジンが企てた反乱は、世界中の注目を浴びた。伝えられるところによると、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はその際、飛行機でモスクワから逃亡し、400キロメートルほど離れたロシア北西部にある自身の別荘に避難していたという。

インタビュー
現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ「日本のお笑い」に挑むのか?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中