最新記事
アメリカ政治

2024米大統領選、共和党はデサンティスが早々に失速 反トランプ派に危機感

2023年4月25日(火)17時35分
ロイター

訴追問題が転機

昨年11月の議会中間選挙で、トランプ氏の推薦した共和党議員が何人も敗北し、同氏の求心力に陰りが見えた以上、次の大統領候補は別の誰かを探そうとの機運が党内に生まれた。

そこで格好の人物とみなされたのが、保守的な政策実現を約束してフロリダ州知事再選を果たしたデサンティス氏だ。

ところが今年4月、トランプ氏が不倫相手とされる女性に口止め料を支払ったことを巡る業務記録改ざんなどの疑いで起訴されると、共和党は一致結束して同氏を擁護。ワシントンの連邦議員だけでなく、デサンティス氏の地元フロリダ州議会でもトランプ氏支持者が急増した。

トランプ氏は既に57人の連邦議員を含む67人の政治家から、党の大統領候補指名レースでの支持を取り付けている。一方デサンティス氏は4人の支持しか得られていない。

早い時期に予備選が開かれるニューハンプシャー州における世論調査でも、1月時点でデサンティス氏の支持率がトランプ氏を12ポイント上回っていたのに、今週は逆にトランプ氏が20ポイントも高くなった。

トランプ氏側近によると、同氏の選挙資金調達にも弾みが付き、今年第1・四半期の調達額は1900万ドル近くに達した。その大半は同氏訴追後に調達されている。多くの共和党員は訴追が政治的動機に基づいていると考えている。

これに対してデサンティス氏は、学校で性的少数者について教えることを制限したり、この政策を批判したウォルト・ディズニーに対して州が長年付与してきた特別待遇を奪う取り組みを進めたりして、トランプ氏の中核的な支持層にアピールを試みているが、成功していないように見える。

ディズニーとの対立を巡ってはトランプ氏が今週、デサンティス氏を「敗者」だとこき下ろしたのに、デサンティス氏は言い返さないばかりか、訴追問題でトランプ氏の援護に回った。


企業経営
ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パートナーコ創設者が見出した「真の成功」の法則
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア高官、ルーブル高が及ぼす影響や課題を警告

ワールド

ゼレンスキー氏、和平協議「幾分楽観視」 容易な決断

ワールド

プーチン大統領、経済の一部セクター減産に不満 均衡

ワールド

プーチン氏、米特使と和平案巡り会談 欧州に「戦う準
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 3
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止まらない
  • 4
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 5
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 6
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 9
    【香港高層ビル火災】脱出は至難の技、避難経路を階…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中