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ICT教育

日本の生徒のネット活用度は先進国で最低レベル

2023年3月15日(水)11時00分
舞田敏彦(教育社会学者)

上表はOECD平均との比較だが、調査対象国の布置図の中に日本を位置付けると愕然とする。横軸に宿題の調べもの、縦軸に学校の庶務連絡閲覧の実施率をとった座標上に、調査参加国(51カ国)のドットを配置すると<図1>のようになる。

data230315-chart02.png

日本は両軸とも最も低い。学校外でコンピューターを積極的な用途で使う生徒が、諸外国と比して少ないことが分かる。横軸、縦軸とも高いデンマークとは対照的だ。

日本の生徒は、グラフで取り上げたような行動をする必要性を感じない、というのもある。込み入った調査が必要な課題など出ないし、学校のアナウンスも紙のプリントでされる。為すべきは、学校生活でコンピューターの使用が必須となる環境を作ることだ。課題の提出や連絡のやり取りをインターネット経由に限るなどは、その第一歩となる。

ただ端末を与えても、悪ふざけ動画の投稿や闇バイトへの応募というような、よからぬことに使うだけになってしまう。1人1台端末のGIGAスクール構想は、ほぼ実現されている。手にしたICT機器を子どもがどういう用途に使うかは、大人の働きかけ次第だ。

<資料:OECD「PISA 2018」

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