韓国国家安保室長、突然の辞任はユン大統領訪米時のBTS公演失敗のため?
昨年5月にバイデン米大統領に招かれてホワイトハウスを訪れたBTS LEAH MILLIS - REUTERS
<安全保障のトップ辞任の背景にK-POPアイドルがいた──>
3月29日、韓国尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の側近である金聖翰(キム・ソンハン)国家安保室長が、辞任を申し出たと明らかにした。ユン大統領の国賓としての訪米を来月に控えるなかでの突然の辞任発表に韓国政界にはさまざまな憶測が飛び交っているが、その一つとしてK-POPグループの存在が急浮上している。ニュース1、韓国経済など韓国メディアが報じた。
NSC委員長も兼任する安全保障のトップ、突然の辞任
韓国国家安保室は大統領府にあって国家安全保障を統括する部門だ。室長は閣僚に準じた公務員であり、国家安全保障会議(NSC)常任委員会の委員長も兼任。韓国の安全保障のトップオブトップというべき存在だ。
北朝鮮がICBM級のミサイルを発射し地域の安全保障を脅かすなか、4月末にはユン大統領が李明博(イ・ミョンバク)以来12年ぶりとなる国賓として訪米するなど外交、安保の重要なスケジュールが続くところでの突然の安保室長辞任の発表で韓国政界には報告漏れ説、軋轢説など様々な解釈が出ている。
対日政策への国内世論の反発も影響?
実は大統領府では、今回の予兆ともいうべき事件が起きていた。ユン大統領の訪日を挟んで、儀典秘書官と外交秘書官が相次いで辞任している。
また、訪日後に対日関係改善への世論が芳しくないため、閣議の冒頭20分あまりにわたってユン大統領が自ら国民へ対日政策について説明することになり、大統領は参謀らを叱責するひと幕があった。こうした一連の問題についてキム安保室長は大きなプレッシャーを感じていたという。
バイデン夫妻がK-POPの公演を熱望?
そしてもう一つの報告漏れ説として大きく取り上げられたのが、ユン大統領の訪米スケジュールをホワイトハウス側と調整する中で出てきたK-POPアーティストとレディー・ガガによる合同公演問題というものだ。
これはバイデン大統領とジル・バイデン夫人がK-POPアーティストとレディー・ガガなどが出演する文化プログラムを提案し、駐米韓国大使館が確認の書簡を5回も送ったが、安保室側が回答を先送りし、さらにユン大統領に報告すらしていなかったという問題だ。