最新記事

ウクライナ情勢

ロシア軍のカミカゼ・ドローン攻撃、ミサイルとの違いは?

2022年10月23日(日)10時22分
ウクライナ・ハリコフ州で見つかったカミカゼ・ドローンの残骸

ロシアのプーチン大統領が先週、戦術を変更し、ウクライナ各地のインフラを標的とする空爆を行うようになってから、ロシア政府は主要な2種類の武器の使用を拡大してきた。写真は6日、ロシアによる攻撃を受けたウクライナ・ハリコフ州で見つかった無人機の部分。ウクライナ側は、イラン製の自爆ドローン「シャハド」と見ている(2022年 ロイター/Vyacheslav Madiyevskyy)

ロシアプーチン大統領が先週、戦術を変更し、ウクライナ各地のインフラを標的とする空爆を行うようになってから、ロシア政府は主要な2種類の武器の使用を拡大してきた。1つは長距離巡航ミサイルで、もう1つはいわゆる「自爆用ドローン」だ。

双方とも標的へ向かって飛行し、到達すると爆発する飛行体だが、その脅威には違いがある。

1基当たりのコストが何十万ドルから何百万ドルもするミサイルは、高速で飛行するため迎撃が難しく、大量の爆発物を搭載できる。だが当面、より大きな脅威となるのはドローンかもしれない。ドローンは小型で飛行速度が遅く、打ち落とすのは容易だが、一度に大量に投入して攻撃を仕掛けることができる。

ミサイルとドローンの違いを以下にまとめた。

ミサイル

プーチン氏がウクライナ侵攻開始以降で最大の空爆を伴う新たな戦術に署名した10月10日の1日だけで、ロシアは何億ドル相当もの武器・弾薬を使った可能性がある。この日、ロシアはウクライナ各地の標的へ向けて80基余りの巡航ミサイルを発射した。

ロシアの巡航ミサイル「カリブル」は標的へ向けて音速の数倍の速さで、最大2000キロメートルの距離を飛行できる上、重量400キログラム超の実弾頭を搭載できると考えられている。核弾頭を搭載できる可能性もある。

巡航ミサイルは、敵の戦艦や指令センターといった、厳重に守られた重要な軍事拠点や設備などを破壊するために設計されている。打ち落とすには高度な防空システムが必要だ。

ウクライナ政府は、ここ数週間でロシアが発射したミサイルの半分超を打ち落としたと主張している。だが10日のロシアによる一斉空爆では少なくとも19人が死亡し、各地で停電が起きた。

西側のアナリストは、ロシアに何基のミサイルがまだ残されているのかを正確には把握していない。しかしミサイルの供給は限られており、これほどの大規模な空爆を続けるのは不可能だ。

西側諸国は米国の高性能地対空ミサイルシステム「NASAMS」といった先進のミサイル防衛システムをウクライナに追加供給すると約束している。NASAMSは数カ月以内に搬入される予定で、米国は現在、手続きを加速している。ドイツは先週、防空システム「IRIS―T」4基をウクライナに送った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコ、イランの弾道ミサイル迎撃 NATO防空シス

ワールド

対イラン作戦、現時点で地上部隊投入は含まれず=米報

ビジネス

ロシアのタンカー沈没、ウクライナ無人機攻撃か プー

ワールド

イラン外相「攻撃は米国が標的」と説明、カタールは否
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 7
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 8
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 9
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 10
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中