最新記事

日中戦争

南京での「虐殺」「性犯罪」の証拠となる写真を発見? 入手した質屋オーナーが主張

Pawn Shop Owner Says He Found 30 Unseen Photos of the Rape of Nanjing

2022年9月2日(金)20時44分
シーラ・リー・バルトフ
南京大虐殺記念式典

南京大虐殺の 80 周年を記念する記念式典(南京、2017年) REUTERS/Stringer

<米ミネソタ州の質屋に持ち込まれた戦時中のアルバムには、当時の南京の状況だというおぞましい写真が数多く収められていたと、質屋の経営者は語る>

20世紀最悪の残虐行為の1つと称されることもある、「南京大虐殺」の様子を写したとされる写真約30枚が今週、米ミネソタ州の質屋で発見された。質屋の経営者が写真の一部をインターネット上に公開し、波紋を呼んでいる。

■【動画】当時の南京の様子を写した写真が収められたアルバムを紹介する質屋オーナー

ネット上で「Pawn Man」と名乗っているエバン・ケイルは、同州セントルイスパークで質屋「セントルイスパーク・ゴールド・アンド・シルバー」を経営している。そこに先月29日、ある客が第二次大戦中の写真をまとめたアルバムを持ち込んだという。

戦争関連の品物は珍しくないため、すぐに確認はしなかったと、ケイルはニューズウィークに語った。ところが、アルバムの中に収められていた写真があまりに衝撃的だったため、ケイルは31日、TikTokに動画を投稿し、人々に助けを求めた。動画は瞬く間に拡散し、再生回数は1000万を超えた。

「私のキャリアの中で最も心をかき乱すものだ」と、ケイルは動画の中で語っている。写真は、第二次大戦時に中国に駐在していた米海軍隊員が撮影したものとみられる。ケイルによれば、アルバムは開戦前の写真から始まり、次第に戦時中のものに変わっていく。

「そして、このページにたどり着いたが、この先は皆さんにお見せすることはできない」と、ケイルは軍艦のような写真を指差しながら語った。

歴史上知られていない30枚ほどの写真

「その後のページを見て、私は悲鳴を上げた」とケイルは言う。「この写真を撮影した男性は南京大虐殺の場にいたようだ。彼は、歴史上知られていない写真を30枚ほど撮影した。私がインターネットで見たどんなものよりもおぞましいものだ」

南京大虐殺は、1937年12月13日に当時の中国の首都・南京を占領した日本軍が、6週間にわたって集団殺戮と暴行を繰り返したとされる事件だ。真相は明らかになっておらず現在も規模や犠牲者について議論が続いているが、市と周辺の町が略奪されて焼き払われ、市内の建物の3分の1以上が破壊されたとも言われる。

また何万人もの中国人の若者が南京の郊外に集められ、銃殺されたり、銃剣の演習に使われたり、ガソリンをかけられて生きたまま焼かれたりしたとの主張や、大勢の女性が暴行を受け、中には内臓を抜かれた人もいたとの主張もある。犠牲者の数については議論が続いているが、極東国際軍事裁判では20万人以上が殺害され、暴行件数は少なくとも2万件に上るとされた。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

アングル:トランプ氏なら強制送還急拡大か、AI技術

ビジネス

アングル:ノンアル市場で「金メダル」、コロナビール

ビジネス

為替に関する既存のコミットメントを再確認=G20で

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型ハイテク株に買い戻し 利下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ暗殺未遂
特集:トランプ暗殺未遂
2024年7月30日号(7/23発売)

前アメリカ大統領をかすめた銃弾が11月の大統領選挙と次の世界秩序に与えた衝撃

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理由【勉強法】
  • 2
    BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム販売が失速、株価半落の大手事務所も
  • 3
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子どもの楽しい遊びアイデア5選
  • 4
    キャサリン妃の「目が泳ぐ」...ジル・バイデン大統領…
  • 5
    地球上の点で発生したCO2が、束になり成長して気象に…
  • 6
    カマラ・ハリスがトランプにとって手ごわい敵である5…
  • 7
    トランプ再選で円高は進むか?
  • 8
    拡散中のハリス副大統領「ぎこちないスピーチ映像」…
  • 9
    中国の「オーバーツーリズム」は桁違い...「万里の長…
  • 10
    「轟く爆音」と立ち上る黒煙...ロシア大規模製油所に…
  • 1
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラニアにキス「避けられる」瞬間 直前には手を取り合う姿も
  • 2
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを入れてしまった母親の後悔 「息子は毎晩お風呂で...」
  • 3
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」、今も生きている可能性
  • 4
    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…
  • 5
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理…
  • 6
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子…
  • 7
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 8
    「失った戦車は3000台超」ロシアの戦車枯渇、旧ソ連…
  • 9
    「宇宙で最もひどい場所」はここ
  • 10
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った猛烈な「森林火災」の炎...逃げ惑う兵士たちの映像
  • 3
    ウクライナ水上ドローン、ロシア国内の「黒海艦隊」基地に突撃...猛烈な「迎撃」受ける緊迫「海戦」映像
  • 4
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 5
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラ…
  • 6
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 7
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを…
  • 8
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」…
  • 9
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 10
    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中