トランプ政権、ワシントン検事局に逮捕者のより積極的な立件指示

トランプ米政権は今週、首都ワシントンの連邦検事局に対して、一連の治安取り締まり活動を通じて出た逮捕者を、より積極的に刑事事件として立件するよう指示した。写真は8月8日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Ken Cedeno)
Sarah N. Lynch Ned Parker
[ワシントン 19日 ロイター] - トランプ米政権は今週、首都ワシントンの連邦検事局に対して、一連の治安取り締まり活動を通じて出た逮捕者を、より積極的に刑事事件として立件するよう指示した。事情に詳しい3人の関係者がロイターに明かした。
関係者によると、ワシントンの連邦検事局で刑事部門を統括するジョナサン・ホーノク氏は18日、逮捕者をできるだけ多くの連邦法上の罪で訴追するよう各検事に通達したもようだ。
こうした動きは司法制度の機能ひっ迫を招くだけでなく、連邦法上の犯罪は量刑が相対的に重いため、訴追されるかどうかは逮捕者にとっても重要な意味を持つという。
ボンディ司法長官は19日、X(旧ツイッター)への投稿で、トランプ大統領がワシントンの警察権を接収して以来、殺人や違法薬物所持、銃火器による襲撃などさまざまな容疑で465人が逮捕されたと述べた。現時点でこれらの容疑者のうち何人が連邦法で訴追されるかどうか定かではない。
ワシントン連邦検事局トップのジニー・ピロ氏の事務所の広報担当者は19日、トランプ氏によるワシントンの安全確保命令に沿って、ピロ氏が法令と証拠に基づいて最も重大な犯罪で訴追するようスタッフに指示したと説明した。
ただ1月のトランプ氏の大統領復帰以降、ワシントン連邦検事局では数十人の検事が自主退職したほか、解雇された検事もいる中で、法執行部門にかかる重圧はより大きくなりかねない。
こうした状況では、有罪判決を勝ち取る上で必要な目撃証言や証拠映像採取、DNA鑑定といった裏付け捜査に割く人員や資源も限られる恐れがある。
ワシントン連邦検事局によると、訴追手続きの応援として国防総省から約20人を投入する計画だという。