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中国の砂漠に出現した「空母型の標的」...今度は海軍基地型など、さらに増殖中

China Builds More Naval Targets In Remote Desert To Test Ballistic Missiles

2022年5月13日(金)17時30分
ミーラ・スレシュ
DF-21Dミサイル

2015年の軍事パレードに登場したDF-21Dミサイル REUTERS/Andy Wong/Pool

<昨年末には実物大の駆逐艦の「標的」なども確認されたが、これらは今年2月のミサイル実験で破壊され、すでに解体されたという>

中国は近年、長距離弾道ミサイルの実験を行うため、人里離れた砂漠に「標的」となる模型を建造してきた。新たに撮影された衛星画像からは、タクラマカン砂漠で中国人民解放軍が海軍基地などの「大規模な標的」をさらに増やしており、対艦攻撃能力を磨いていることが見て取れる。

新しい衛星画像によれば、標的模型は砂漠の東端に建造されている。海軍の構造物を模したものもあれば、港に停泊している船のようなレイアウトのものも2つあるとUSNIニュースは報じている。USNIニュースは、非営利組織「アメリカ海軍協会」(U.S. Naval Institute)が発行するメディアだ。

中国が米空母の精巧なレプリカを建造したことは、衛星画像で以前から認識されていた。2021年末には、空母の約13キロ南西に、実物大の桟橋と、駆逐艦のような船の標的が確認されていたが、今回の画像ではこれらは消え去っている。USNIニュースによれば、2022年2月の実験で、駆逐艦の模型にミサイルが命中し、標的はすぐに解体されたという。

新しい標的は、オールソース・アナリシス(All-Source Analysis)によって発見されたと報道されている。空母の標的に関する調査の一環として、マクサー・テクノロジーズの高解像度衛星画像から詳細が明らかになった。

また、防衛アナリストのダミアン・サイモンズによって、約300キロ南西にある海軍基地を模した標的も発見された。駆逐艦の標的と同様、この標的にも桟橋があり、複数の船が停泊するレイアウトになっている。これらの標的の性質、場所、攻撃されたという事実は、弾道ミサイルの実験が行われていることを示唆している、とUSNIニュースは付け加えている。

計算されつくした「標的」のレイアウト

USNIニュースはまた、精密に標的を攻撃する技術が確立されている兆候があるというサイモンズの発言を引用している。「標的のレイアウトは、とても計算されている。複数の標的において、方向、形状、大きさに一貫性がある。無計画な部分が全く見当たらない」

サイモンズによれば、これらの標的は、地面に金属板を敷き詰めたような形をしているという。「桟橋や建物とは異なる素材だ。熱やレーダーの反射に違いがあるのかもしれないが、これもまた、実験の背後にある複雑なシステムと努力を示唆している」

中国は、いくつかの対艦弾道ミサイルを開発中と伝えられている。新たに公開された動画では、人民解放軍のH-6N爆撃機が、機体の底部に、正体不明の強力そうな空中発射対艦弾道ミサイルを搭載していた。中国には、陸上から発射する対艦弾道ミサイル「DF-21D」や「DF-26」があるが、最近これに加えて、駆逐艦から超音速対艦弾道ミサイル「YJ-21」を試射し、その動画が話題をさらった。複数の報告によればYJ-21は、DF-21DやDF-26よりも大きな脅威だという。
(翻訳:ガリレオ)

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