最新記事

核攻撃

「どうせいずれは皆死ぬ」「それでも我々は天国に行ける」ロシアTV、核攻撃前提のプロパガンダ?

Russian State TV Comforts Viewers on Nuclear War: 'We All Die Someday'

2022年4月28日(木)15時36分
エマ・メイヤー

プーチンの核攻撃はレトリックから本番段階へ?  Alexei Nikolsky/RIA Novosti/Kremlin/REUTERS

<他国の介入を阻止するには第三次大戦しかない、などとも発言>

ロシアがウクライナに侵攻してから2カ月あまり。戦闘は泥沼化の様相を呈しており、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナを支援する欧米諸国をけん制しようと、核兵器の使用も辞さない考えをちらつかせている。

こうしたなか、ロシア国営テレビの複数の番組司会者が4月26日、戦闘がウクライナ以外の国にも拡大する可能性について言及。ニュース専門局RTの編集長でジャーナリストのマルガリータ・シモニャンは視聴者に、核戦争が起きてもあまり心配することはないと語りかけた。「どうせいつかは死ぬのだから」

ロシアのテレビはこれまでも、戦闘がウクライナ以外の国にも拡大する可能性について議論し、「ヨーロッパと国際社会」に抵抗するために「避けられない」戦争という立場をとってきた。

テレビ司会者のウラジーミル・ソロビヨフは、26日夜に放送された自身の番組「ザ・イブニング・ウィズ・ウラジーミル・ソロビヨフ」の中で、他の国々がロシアとウクライナの戦争に介入するのを阻止するためには、核攻撃も一つの選択肢と考えざるを得ないと発言した。「どうせいつかは死ぬ」というシモニャンの発言も、この番組の中で飛び出したものだ。

「ロシアが諦めることはあり得ない」

米ニュースサイト「デーリー・ビースト」によれば、シモニャンは番組の中で次のように述べた。「個人的には、(目的を達成する)最も現実的な方法は第三次大戦だと思う。ロシア国民や指導者のプーチン、そしてこの国のしくみを考えれば、諦めることはあり得ない」

「それよりは、一発の核攻撃で全てが終わるという結末の方があり得ると思う。考えると恐ろしいが、一方では、そういうものだと理解もしている」

この発言を受けてソロビヨフが「それでも私たちは天国に行けるだろう。奴らはただ死ぬだけだが」と言うと、シモニャンは視聴者にこう語りかけた。「どうせ皆、いつかは死ぬんだから」

プーチンをはじめとするロシア政府の当局者たちは、NATOに対する脅しを繰り返している。AFP通信の報道によれば、プーチンは27日に行った演説の中で、第三国がウクライナでの軍事作戦への介入を試み、「我が国に受け入れ難い戦略的脅威」をもたらそうとした場合、「電光石火の」対抗措置をとると述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ和平交渉団が米国入り、トランプ政権高官と

ワールド

イラン指導者ハメネイ師、トランプ氏がデモ扇動と非難

ワールド

欧州8カ国に10%追加関税、トランプ氏表明 グリー

ワールド

アングル:冬季五輪控えたイタリア北部の景観地に観光
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手がベネズエラ投資に慎重な理由
  • 4
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 5
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 6
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 9
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」…
  • 10
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 9
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 10
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中