最新記事

動物

「世界にようこそ」ポケットから顔を覗かせる希少ワラビーの赤ちゃん

2022年4月14日(木)21時50分
若道いつき
コゲチャヤブワラビー

ポケットから顔を出すコゲチャヤブワラビーの赤ちゃん The Independent-YouTube

<大人になっても体長は60センチ程度>

英国の動物園で撮影されたワラビーの赤ちゃんの愛くるしい映像がネット上で話題になっている。

有袋類の赤ちゃんは極めて未熟な状態で生まれ、しばらくの間、育児嚢(いくじのう)という名のポケットの中で育つ。今回写真と映像が公開されたコゲチャヤブワラビー(「ミニチュアカンガルー」とも呼ばれる)はオーストラリアの北にあるニューギニア島とインドネシアの小さな島の森にしか生息していない。ビラボン自然保護区によると、カンガルーの中で最も大きな種であるアカカンガルーのオスの成獣は体長が1.5メートル以上になるのに対し、コゲチャヤブワラビーは60センチ程度にしか成長しないという。

そんな珍しいワラビーの赤ちゃんの様子を、イングランド北西部にあるチェスター動物園のスタッフが記録した。飼育係のメーガン・カーターは次のように振り返る。

「スティックス(母親)の体重が徐々に増えていることに気付いたときから行動や摂食パターンを注意して観察するようになり、赤ちゃんを育てているのではと期待するようになった」

妊娠期間はわずか30日。生まれて間もない赤ちゃんの大きさはゼリービーンズほどしかない。

「安全な母親の袋の中で、成長に必要な栄養を受け取りながら約6カ月かけて成長する」とカーターは言う。

この期間を経て、子供は初めてポケットから外に出ることができる。

残念なことに、コゲチャヤブワラビーの野生の個体数は罠や狩猟、森林伐採などによって過去20年間で約30%も減少している。国際自然保護連合(IUCN)は、この種を絶滅の危機に瀕した「危急種」に分類している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:米大平原から消えゆく小麦畑、価格低下と干ばつ

ワールド

イランとイスラエル、再び互いを攻撃 米との対話不透

ワールド

米が防衛費3.5%要求、日本は2プラス2会合見送り

ビジネス

トヨタが米国で値上げ、7月から平均3万円超 関税の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 6
    【クイズ】次のうち、中国の資金援助を受けていない…
  • 7
    ジョージ王子が「王室流エチケット」を伝授する姿が…
  • 8
    イギリスを悩ます「安楽死」法の重さ
  • 9
    中国人ジャーナリストが日本のホームレスを3年間取材…
  • 10
    「巨大キノコ雲」が空を覆う瞬間...レウォトビ火山の…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 9
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 10
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中