最新記事

ウクライナ情勢

住宅地攻撃でウクライナ側の死者増加 ロシアの進軍は停止、作戦に混乱との見方も

2022年3月2日(水)11時22分
炎を上げるキエフのテレビ塔

ロシア軍によるウクライナへの攻撃は1日も各地で続き、第2の都市ハリコフ中心部がミサイルで攻撃されたほか、首都キエフではテレビ塔が攻撃を受けて5人が死亡した。写真は炎を上げるキエフのテレビ塔(2022年 ロイター/Carlos Barria)

ロシア軍によるウクライナへの攻撃は1日も各地で続き、第2の都市ハリコフ中心部がミサイルで攻撃されたほか、首都キエフではテレビ塔が攻撃を受けて5人が死亡した。

ハリコフの地方行政官は、市中心部がミサイル攻撃を受け、住宅地や地方庁舎に被害が出たことを明らかにした。地方行政官はソーシャルメディアに投稿した動画で「ウクライナ市民に対するジェノサイド(集団殺害)だ。市民に対する戦争犯罪だ」と述べた。詳しい死傷者数は分かっていない。

ウクライナ当局によると、首都キエフではテレビ塔が攻撃を受け、5人が死亡した。電波が中断される可能性があるという。

このほか、西部ジトーミルの住宅地域では、周辺の空軍基地を狙ったとみられる巡航ミサイルで子どもを含む4人が死亡したという。内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問が地元テレビに語った。

ロシアの作戦混乱か

米政府関係者によると、キエフに迫った約65キロに及ぶ軍車列は、過去24時間に全く前進していない。物流問題や燃料・食料不足で動けず、戦術見直しのために一時停止しているのではないかという。

また、侵攻開始から1週間近くたつが、予想をはるかに超える激しい抵抗に遭い、主要都市をまだ制圧できていない。

米ウィルソンセンターでロシア軍の専門家であるマイケル・コフマン氏は、「ロシア軍の作戦を見ると、兵たんと通信に多大な問題を抱えている。作戦は全体が混乱しているように見える」とツイートした。

西側の軍事アナリストの多くは、ロシアが今後、居住地域への侵入前に徹底的に砲撃する戦術に戻るのではないかと懸念。

米国防総省のある高官は、キエフ北部での停滞の理由として「ロシア軍自体が再編成や方針の見直しを実施し、これまでの課題に適応しようとしている」と分析した。

また「ロシア側は士気の問題に驚いているほか、補給路などの課題についても満足していない」と、根拠を示さず語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・「ロシア人よ、地獄へようこそ」ウクライナ市民のレジスタンスが始まった
・ウクライナに「タンクマン」現る 生身でロシア軍の車列に立ち向かう
・ウクライナ侵攻の展望 「米ロ衝突」の現実味と「新・核戦争」計画の中身
・ロシア「暗殺リストを作成」ウクライナ侵攻後、反体制派やLGBTなど標的に


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 5
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 6
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」…
  • 7
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 10
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 9
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 10
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中