最新記事

北京冬季五輪

北京に到着の五輪選手団にコロナ感染判明相次ぐ、ピークはこれから

COVID Cases Among Olympic Athletes Are Rising Just 4 Days Before Games

2022年2月1日(火)13時49分
ナタリー・コラロッシ
北京に到着した選手団

北京国際空港に到着したフランス選手団を迎えた防護服姿の中国側スタッフ(1月31日) Phil Noble-REUTERS

<世界中から北京に到着する選手や関係者の感染確認はこれからがピークだ>

北京冬季五輪の開幕(2月4日)が数日後に迫るなか、現地では出場選手やチーム関係者の新型コロナウイルス感染が増えている。

大会組織委員会によれば、過去4日間で中国国内にいる大会関係者119人が検査で陽性と判明。このうち1月29日には34人、同30日には37人の陽性が確認されている。彼らの多くが、北京国際空港に到着した際の検査で陽性と判明。1月30日には、空港到着時の検査で28人の陽性が確認され、このうち8人が出場選手とチーム関係者だった。

北京到着後の感染判明により、一部のアスリートは五輪出場の夢が潰えることになる。USAトゥデイ紙によれば、検査陽性者のうち、無症状の者は検査で陰性結果が出るまで北京で隔離されることになり、症状がある者は中国国内の病院で治療を受けることになる。

1月31日の空港到着後に行った2回の検査で2度とも陽性が出たロシア(個人資格で参加)のバレリア・バスネスツォワ選手(バイアスロン)は、自分のオリンピックの夢はこれで終わったと述べた。

バスネスツォワは「残念だが、私のオリンピックの夢は、夢のままで終わる」とソーシャルメディアに投稿した。「いつかこのショックを乗り越えて、再び立ち上がることもできるかもしれないが、それはまた別の話だ」

「4年間の努力が最後の最後で無に」

アメリカのクリス・マズジャー選手(リュージュ)は、感染が判明すれば、大会に向けて重ねてきた努力が無になるかもしれず、選手たちは神経を尖らせていると明かした。

ロイター通信によれば、マズジャーは記者団に次のように語った。「このところ、多くの出場選手の陽性が判明している。これは恐ろしいことだ。前回の大会からの4年間で重ねてきた努力が、最後の最後で無駄になってしまう」

北京冬季五輪の医療専門家会議で座長を務めるブライアン・マクロスキーは、記者会見の中で、大会関係者の感染はピークに達しつつあり、今後、世界各地から選手たちが中国に到着すればさらに増えるだろうとの見方を示した。

「中国に到着する人の数は、これからピークを迎える。検査陽性者の数はそこで最も多くなるだろう」と彼は述べた。

感染のさらなる拡大を防ぐために、大会組織委員会は厳しい「バブル方式」を採用し、全ての関係者を一般市民から隔離する措置を取っている。全ての出場選手、スタッフや報道関係者は、バブルの内側に入る前に少なくとも2回、検査で陰性と判定され、またバブル到着時に再度検査を行って、ここでも陰性と判定されなければ、入ることはできない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、ロは「張り子の虎」に反発 欧州が挑発な

ワールド

プーチン氏「原発周辺への攻撃」を非難、ウクライナ原

ワールド

西側との対立、冷戦でなく「激しい」戦い ロシア外務

ワールド

スウェーデン首相、ウクライナ大統領と戦闘機供与巡り
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 5
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 6
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 7
    1日1000人が「ミリオネア」に...でも豪邸もヨットも…
  • 8
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 9
    AI就職氷河期が米Z世代を直撃している
  • 10
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 8
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 9
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 10
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中