アメリカを「金持ちの金持ちによる金持ちのための国」にした負の連鎖
AMERICA’S STRUGGLE AT HOME

こうした混乱の政治的な影響はさまざまな方面で見られるが、なかでも不吉なのがトランプの台頭だった。彼は金持ちを優遇しながら、外国人排斥や文化戦争、剛腕政治家ぶったポーズにより、貧しい人々の目をそらした。これは昔ながらのポピュリストのやり口だが、現代においても驚くほど効果的だ。
バイデンが対処しようとしているのは、そんな社会状況だ。そして今までのところ、十分で安定した成果を上げているとは言い難い。
紛れもない事実として、全ての共和党議員と少数だが影響力のある民主党議員が、富裕層や米企業への一定以上の増税を阻止しようとしている。これは、公平で環境に優しい社会をつくるのに今すぐ必要な連邦政府の歳入増を妨げることになる。しかも彼らは、断固とした気候変動対策にも反対している。
もちろんバイデンは、ささやかでも今後の礎となるような成果を何とか上げられるかもしれない。国民はそれを求めている。アメリカ人のほぼ3人に2人は、富裕層や企業への増税に賛成している。
それでもバイデンが十分な成果を上げられなかったために、22年の中間選挙で共和党が上下両院のいずれか、もしくは両方で多数派となる可能性は残っている。次の大統領選でのトランプの返り咲きに道を開く可能性もある。
アメリカの混迷は国際社会にも暗い影を落としている。今のアメリカ人を団結させられるのは、外からの脅威に対する強い緊張感くらいのものだろう。民主・共和両党の政治家は反中国的な発言をエスカレートさせているが、こうした姿勢は世界の緊張や紛争(例えば台湾有事)の危険性を高めるだけで、世界的課題の解決にはつながらない。
アメリカは何十年にもわたる政治の腐敗と怠慢を克服する闘いのさなかにある。その行方は予断を許さない。今後数年は、アメリカと世界の両方にとって危険をはらむ未来が待っている。
(筆者は国連の「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」のディレクター)
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