最新記事

政治

ドイツ下落、中国大幅アップ 政府の信頼度、独裁国家が民主主義国家を上回る

2022年1月18日(火)18時51分
天安門広場

新型コロナウイルスへの対応を巡り、政府に対する国民の信頼感が過去最低に落ち込んでいることが調査で分かった。写真は天安門広場。北京で2020年5月に撮影(2022年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)

世界の民主主義国家では経済を巡る悲観的な見方が広がる中、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応を巡り、政府に対する国民の信頼感が過去最低に落ち込んでいることが調査で分かった。

政府やメディア、企業などへの信頼度を調査しているエデルマン・トラストバロメーターによると、中国など複数の独裁国家では逆に国民の信頼感が高まっているという。

また、企業への信頼感はワクチン開発という役割や職場などの慣行への対応が支持され、世界的に高水準を維持した。

調査は昨年11月1─24日に28カ国の3万6000人超を対象に実施された。

調査を公表したエデルマンを率いるリチャード・エデルマン氏は「民主主義に対する信頼が崩壊している」と述べ、パンデミックや自動化に関連した雇用喪失への懸念が高いと指摘。経済に対する信頼感があるかどうかが重要だと語った。

昨年に国民の信頼度が最も大きく落ち込んだのはドイツで7ポイント低下の46。オーストラリアは6ポイント低下の53、オランダも6ポイント低下して57となった。韓国はマイナス5ポイントの42、米国はマイナス5ポイントの43だった。

一方、中国政府への信頼度は11ポイント上昇して83%、アラブ首長国連邦(UAE)は76%(プラス9)、タイは66%(プラス5)となった。

日本では、5年後に自分や家族の生活が向上していると考える人はわずか15%にとどまった。他の大方の民主主義国では20─40%程度だった。

この比率は中国では約3分の2、インドでは80%と高かった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・コロナ感染で男性器の「サイズが縮小」との報告が相次ぐ、「一生このまま」と医師
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・日本のコロナ療養が羨ましい!無料で大量の食料支援に感動の声
・コーギー犬をバールで殺害 中国当局がコロナ対策で...批判噴出


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、豚内臓肉などの輸入で仏と合意 鳥インフル巡る

ワールド

ロシア、対等な条件なら西側と対話 プーチン氏就任式

ビジネス

ディズニー1─3月決算、動画配信が改善 テレビ事業

ワールド

ロシアで米国人2人が拘束、1人は窃盗容疑の米軍兵士
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 6

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 10

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中