最新記事

同時感染

コロナとインフルの二重感染「フルロナ」が世界で初めて報告される

2022年1月7日(金)17時10分
青葉やまと

4回目のワクチン接種が進むイスラエルだったが...... REUTERS/Nir Elias/

<世界初の同時感染がイスラエルで記録され、アメリカとブラジルでも症例が続いている>

新型コロナウイルスのパンデミックにより、例年流行していたインフルエンザはすっかり鳴りを潜めたかに思われた。しかしここに来て、コロナとインフルへの同時感染の症例が世界各地で報告されはじめている。

同時感染の症例は、インフルエンザおよび風邪を示すフル(Flu)とコロナ(Corona)を合わせ、「フルロナ(Flurona)」と呼ばれている。米UPI通信は1月3日、『イスラエルで世界初のインフル・コロナ二重感染「フルロナ」が報告される』と報じた。

この患者は若い妊婦であり、テルアビブにほど近いベイリンソン病院を出産のため訪れたという。入院前の検査によって1月1日、新型コロナとインフルに同時感染していることが判明した。検査はそれぞれ2度実施し、いずれも陽性反応が出ている。なお、この女性は軽症であり、無事出産したのち6日にすでに退院している。

本事例は正式に二重感染が確認された初のケースとみられ、初のフルロナの事例として報じられている。英インディペンデント紙によると担当医は、イスラエル国内にさらに多くの潜在的な患者がいるのではないかと見積もっているという。イスラエル保健省は本症例の分析を進めており、同時感染がどのようなリスクを含んでいるかについて研究を行う方針だ。


「ツインデミック」の懸念 アメリカとブラジルでもフルロナ発生

フォックス・ニュースは本例をフルロナ感染の「記録された最初の個人のひとり」だと報じ、今年さらに多くの症例が確認されるのではと懸念している。昨年はインフルの感染数が歴史的な低水準にあったものの、「最近ではインフルエンザが再燃傾向にあり、『フルロナ』による『ツインデミック(二重のパンデミック)』の懸念が高まっている」と記事は指摘する。

イスラエルの例では患者は妊婦であったことから、ワクチンの接種を受けていなかった。妊婦や子供などを中心に、ワクチン未接種の人々のあいだで感染のリスクは比較的高いとされる。

アメリカでもカリフォルニア州ロサンゼルスにおいて、国内初とみられるフルロナの症例が確認された。CBSロサンゼルス局によると、メキシコへの家族旅行から帰国した子供から、帰国後の検査で陽性反応が検出されている。

Testing site says it detected first case of 'Flurona' in Los Angeles County


ブラジルでも複数の州の保健当局が1月4日、計6名のフルロナ患者が確認されたと発表した。多くは乳児から若者までの年齢層となっている。ブラジルではこれ以外にも複数の患者で同時感染が疑われており、感染者数は今後増加する可能性がある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、カーグ島の軍事目標「完全破壊」 イランは石油施

ワールド

米で「アンティファ」メンバーに有罪判決 初のテロ罪

ビジネス

パウエルFRB議長巡る召喚状、地裁が差し止め 司法

ワールド

焦点:雪解けは本物か、手綱握りなおす中国とロシア向
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切りは常軌を逸している」その怒りの理由
  • 3
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド太平洋防衛
  • 4
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 5
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 6
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 7
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 8
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 9
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 10
    謎すぎる...戦争嫌いのMAGAがなぜイラン攻撃を支持す…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中