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一帯一路

世界的な海運業の「支配」を、慎重に着実に強める中国の深慮遠謀

2022年1月5日(水)17時29分
マシュー・ロシャ

欧州ではフランスのルアーブル港やダンケルク港、ベルギーのアントワープ港、イタリアのバド港などに投資。欧州と地中海にある全港湾の処理能力の10%近くを中国が支配していると推測される。イスラエルのハイファ港の25年間の運営権も中国企業が手に入れたが、ここは米軍艦の停泊港まで1キロもないため、スパイ行為を懸念する声がアメリカでは上がっている。

そのアメリカでも中国企業2社がヒューストン、マイアミ、シアトル、ロサンゼルス、ロングビーチの5つの港に出資している。ただしこれらの港の株式の過半数は所有しておらず、運営権は得ていない。

だが米中関係が不安定となるなか、海運業界における中国の支配力強化は、アメリカなど地政学的ライバルにとってアキレス腱となる可能性がある。1970年代の石油危機ではOPEC(石油輸出国機構)が石油を取引材料にしたが、重要物資の確保で同じようなことが起こるかもしれない。

幸いにも昨年のホリデーシーズンは、プレゼントが遅れず届くかを心配すればいいだけだった。だが将来的には、それでは済まない深刻な影響がありそうだ。

©2021 The Diplomat

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