最新記事

海洋生物

「人魚の財布」からトラフザメが出てくる瞬間

2021年11月15日(月)20時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
トラフザメ

卵の中から姿を現すトラフザメ @sanantonio_aquarium/TikTok

<個体数が減少傾向にあるトラフザメだが、飼育下での繁殖に手応えも>

「人魚の財布」と呼ばれる奇妙な物体を撮影した動画が、TikTok上で(11月15日時点で)610万以上の「いいね!」を獲得している。

この映像は米テキサス州のサンアントニオ水族館で撮影された。飼育担当者がハサミでそれを切り開くと、中からトラフザメの赤ちゃんが出てきた。

不思議な物体は、トラフザメの卵だったのだ。

@sanantonio_aquarium Did you know that some species of sharks can lay eggs?! #shark #animals #aquarium #facts #PUBGMOBILE ♬ Easy On Me - Adele

トラフザメは絶滅危惧種に指定され、個体数は減少傾向にある。太平洋とインド洋を生息地とし、砂地や岩礁、サンゴ礁を好む。夜行性で、主食は軟体動物や甲殻類、それに小さな硬骨魚類など。最大約2.4メートルほどに成長し、寿命は25年から30年。幼魚には黒と白の縞模様、成魚には斑点があるため、長い間別の種と誤解されてきた。

食用として珍重され、東南アジア諸国や中国で漁獲・販売されており、人間による脅威に晒された種でもある。

飼育下で繁殖成功

フロリダ自然史博物館によると、幸いなことにトラフザメは環境への適応能力が高く、飼育下での繁殖は大きな成功を収めているという。

サメの生殖は種によって異なる。哺乳類のように子ザメを産む種もあるが、トラフザメの場合は一度に4個の卵を産む。孵化するまでの6ヶ月半の間、卵は海底に固定される。

飼育員は映像の中で、トラフザメの孵化を補助する意義について次のように語っている。

「サメの卵は30%しか孵化しないため、時にはちょっとした助けが必要になる」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

国内債券、1500億円程度積み増し 超長期債を中心

ワールド

自民と維新、最終合意目指しきょう再協議 閣外協力と

ワールド

米連邦裁、予算枯渇し業務縮小と職員解雇 政府閉鎖で

ビジネス

S&P、フランスを「Aプラス」に格下げ 財政再建遅
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「実は避けるべき」一品とは?
  • 4
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 5
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 6
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 7
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 8
    自重筋トレの王者「マッスルアップ」とは?...瞬発力…
  • 9
    「中国は危険」から「中国かっこいい」へ──ベトナム…
  • 10
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 7
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 8
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 9
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 10
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中