最新記事

環境

COP26、石炭火力発電廃止に23カ国が合意 日米中印などは不参加

2021年11月5日(金)09時26分
インドネシアの石炭火力発電所

英グラスゴーで開催中の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で4日、石炭火力発電廃止と新たな石炭火力発電所の建設停止に、インドネシア、ポーランド、ベトナムを含む23カ国が合意した。インドネシアで2020年7月撮影(2021年 ロイター/Willy Kurniawan)

英グラスゴーで開催中の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で4日、石炭火力発電廃止と新たな石炭火力発電所の建設停止に、インドネシア、ポーランド、ベトナムを含む23カ国が合意した。ただ米国やオーストラリアのほか、中国やインドなどの主要な石炭消費国は参加しておらず、効果が疑問視されている。

石炭の燃焼で生じる温暖化ガスは気候変動の最大の要因になっており、世界的な気候目標の達成には脱石炭が必須。今回の合意では、富裕国は2030年代、貧困国は40年代に石炭火力発電を廃止するほか、大半の国が国内外の新規石炭発電所への投資を行わないと確約した。

主催国の英国はこれまでも「石炭火力発電を過去のものにする」ことがCOP26の主要な目標の一つと表明。COP26のシャーマ議長は「石炭の終焉が視野に入ってきたと言える」と述べた。

この日は、「脱石炭連盟(The Powering Past Coal Alliance)」が、主要産炭国のウクライナを含む28カ国が新たに加盟したと表明。 専門家も、一歩先に進んだと評価している。

ただ今回の合意には法的拘束力がないほか、一部の国は他の国から資金支援が得られなければ石炭火力発電を廃止できないと表明。英王立国際問題研究所(チャタムハウス)の 環境・社会プログラム専門家、アントニー・フロガット氏は「クリーンエネルギーへの移行が世界的にいかに平等でないかが浮き彫りになった」と述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イスラエル、シリア南部で政府軍攻撃 ドルーズ派保護

ビジネス

独ZEW景気期待指数、7月は52.7へ上昇 予想上

ビジネス

日産が追浜工場の生産終了へ、湘南への委託も 今後の

ビジネス

リオ・ティント、鉄鉱石部門トップのトロット氏がCE
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 2
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 5
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 6
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 7
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 8
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中