最新記事

中国

中国にテニスコート1200面分の大規模コロナ隔離センター登場

2021年10月4日(月)18時05分
青葉やまと

ある感染症対策の専門家は中国共産党傘下のグローバル・タイムズ紙に対し、「広州の国際保健ステーションを郊外に建設することで、隔離期間中の交差感染を防止できる可能性がある」と期待を示した。

現在、中国へ到着する国際旅客の80%以上が、広州または付近の深せんを経由して入国している。豪ニュースメディアの『news.com.au』は専門家の見解として、「新型コロナのアウトブレイクの可能性という観点では、(広州が)中国で最も危険な都市」だと報じる。海外客が集中するこの地域に隔離センターを整備することで、中国政府として集中した水際対策を実施したい考えだ。


各大都市へ展開か

CNNは「新型コロナの水際対策において、中国ほど真剣な取り組みをしている国はほとんどないだろう」と述べ、厳格な取り組みを評価している。一方、大規模な隔離センターが完成したとはいえ、収容能力はすぐに限界を迎えるとの指摘もある。国際便が1機到着するごとに数百名分の隔離室の需要が発生することから、5000室を有する本施設をもってしてもどこまで需要に対応できるかは疑問だ。

当面はセンターの設置数を増やし、需要を賄うことになるだろう。すでに近くの深せんなどでも、同様の隔離センターの建設計画が持ち上がっている。

中国の保健当局は複数の大都市に対し、ホテルを隔離施設として利用することをやめ、集中的な検疫センターを設けるよう指示している。香港のサウスチャイナ・モーニングポスト紙によると、10月末までに人口1万人あたり20室を確保するよう通達しているという。

ゼロコロナ政策を推進する中国政府肝煎りのプロジェクトとして、今後同様の隔離センターを主要都市に展開してゆく可能性がありそうだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米の日鉄投資計画承認、日米の経済関係強化につながる

ワールド

米空母、南シナ海から西進 中東情勢緊迫化

ビジネス

ECB、政策の柔軟性維持すべき 不確実性高い=独連

ワールド

韓国、対米通商交渉で作業部会立ち上げ 戦略立案へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中