バングラで暴動、撃たれた学生デモ指導者死亡受け 選挙控え懸念
バングラデシュのハシナ政権を打倒した学生主導の抗議デモに関わった若者のリーダー、シャリフ・オスマン・ハディ氏(32)が18日遅くに亡くなったのを受け、いくつかの都市で暴動が発生した。写真は19日、バングラデシュのダッカで撮影(2025年 ロイター/Kazi Salahuddin)
[19日 ロイター] - バングラデシュのハシナ政権を打倒した学生主導の抗議デモに関わった若者のリーダー、シャリフ・オスマン・ハディ氏(32)が18日遅くに亡くなったのを受け、いくつかの都市で暴動が発生した。同氏が立候補していた来年2月の総選挙を控え、混乱拡大が懸念される。
ハディ氏は12日、ダッカで覆面をした人物に頭を撃たれた。当初は地元の病院で手当てを受けたが、高度医療を受けるためシンガポールに運ばれ、そこで6日間生命維持装置につながれた後、死亡した。
ハディ氏はインド批判者として知られ、自身が広報担当者を務めるプラットフォーム「インキラブ・マンチャ」はウェブサイトによると「蜂起の精神にインスパイアされた革命的文化プラットフォーム」だ。
ソーシャルメディアで拡散している動画によると、ダッカでは暴徒が国内最大の日刊紙「プロトム・アロ」や「デーリー・スター」のオフィスを破壊している。
警察は今のところコメントを出していない。現場には軍隊が出動し、消防士が建物内に閉じ込められた記者らを救出した。
バングラデシュは2024年8月以降、ノーベル賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が率いる暫定政権によって統治されている。
ユヌス氏は国民に向けたテレビ演説で「彼の死は国家の政治的・民主的領域にとって取り返しのつかない損失だ」と述べ、国民に冷静さを求めるとともに、政府は透明性のある捜査を行い、全ての責任者を裁くと約束。暫定政権はまた、20日を国家的なハディ氏追悼の日にすると宣言した。





