日経平均は反発、日銀が利上げ決定し「出尽くし」も
1月6日、東京証券取引所で撮影。 REUTERS/Issei Kato
Noriyuki Hirata
[東京 19日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比505円71銭高の4万9507円21銭と反発して取引を終えた。正午過ぎに日銀が金融政策決定会合で利上げを決めたことが伝わり、いったん材料出尽くしが意識されて後場に一段高になる場面があった。一方、引け後に控える植田和男総裁の記者会見を見極めたいとのムードも残り、買い一巡後は方向感に乏しくなった。
日銀会合の結果発表を受けてドル/円がいったん円安方向に振れる中、日経平均もつれ高となり一時765円高の4万9766円に上昇した。ただ、会合結果は「ほとんどサプライズなし」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員)との受け止めが優勢だった。日経平均は前日安を経て朝方から反発基調となっていたこともあり、午後の上げ幅拡大もその延長線上との見方が聞かれた。
朝方の日経平均は386円高で寄り付いた後も上値を伸ばした。前日の米国市場で主要3株価指数が上昇し、とりわけハイテク株比率の高いナスダックが1%を超す上昇となり、日経平均への寄与度の高いAI・半導体関連株高となった。ソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロンの3銘柄で日経平均を400円超押し上げた。
日銀会合結果を受けた取引が一巡した後は、ドル/円は156円を挟んだ往来となり、日経平均は方向感に乏しくなった。先行きの利上げペースを読み解く上で、市場では植田和男総裁の会見に関心が寄せられたものの、新たに明確なメッセージを示すことはないとの見方が優勢で、日経平均は「年内は方向感が出にくく、5万円を挟んだ動きではないか」(大西氏)との声が聞かれた。
日銀は同日の会合で政策金利を0.75%に引き上げることを全員一致で決めた。政策金利は1995年9月以来30年ぶりの高い水準となった。
TOPIXは0.8%高の3383.66ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.8%高の1742.58ポイントだった。プライム市場の売買代金は6兆6499億7600万円だった。東証33業種では、値上がりは非鉄金属や建設、情報・通信など28業種、値下がりはその他製品や海運、水産・農林など5業種だった。
三井住友フィナンシャルグループ、三菱重工業は堅調。武田薬品工業は年初来高値を更新した。一方、任天堂は大幅安。ニトリホールディングス、エーザイは軟調だった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.72%高の656.67ポイントと、4日ぶり反発した。きょうグロース市場に新規上場したパワーエックスの初値は公開価格を7.3%下回った。スタンダード市場に上場したギミックの初値は公開価格を5.2%下回った一方、辻・本郷ITコンサルティングの初値は公開価格を61%上回った。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1161銘柄(72%)、値下がりは385銘柄(23%)、変わらずは60銘柄(3%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 49507.21 505.71 49387.71 49,257.15─49,7
66.96
TOPIX 3383.66 26.77 3372.42 3,366.77─3,397
.08
プライム指数 1742.58 13.8 1737.99 1,734.39─1,749
.23
スタンダード指数 1515.83 13.4 1505.47 1,504.84─1,515
.83
グロース指数 861.99 13.44 850.9 849.82─863.33
グロース250指数 656.67 11.09 647.56 646.62─657.69
東証出来高(万株) 274668 東証売買代金(億円) 66499.76





