ニュース速報
ビジネス

日経平均は反発、日銀が利上げ決定し「出尽くし」も

2025年12月19日(金)16時14分

1月6日、東京証券取引所で撮影。 REUTERS/Issei Kato

Noriyuki ‍Hirata

[東京 19日 ロイター] - 東京株式市場で‌日経平均は、前営業日比505円71銭高の4万9507円21銭と反発して取引を終えた。正午過ぎに日銀が金融政策決定会合で利上げを決めたことが伝わり、いったん材料出尽‌くしが意識されて後場に一段​高になる場面があった。一方、引け後に控える植田和男総裁の記者会見を見極めたいとのムードも残り、買い一巡後は方向感に乏しくなった。

日銀会合の結果発表を受けてドル/円がいったん円安方向に振れる中、日経平均もつれ高となり一時765円高の4万9766円に上昇した。ただ、会合結‌果は「ほとんどサプライズなし」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員)との受け止めが優勢だった。日経平均は前日安を経て朝方から反発基調となっていたこともあり、午後の上げ幅拡大もその延長線上との見方が聞かれた。

朝方の日経平均は386円高で寄り付いた後も上値を伸ばした。前日の米国市場で主要3株価指数が上昇し、とりわけハイテク株比率の高いナスダックが1%を超す上昇となり、日経平均への寄与度の高いAI・半導体関連株高となった。ソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロンの3銘柄で​日経平均を400円超押し上げた。

日銀会合結果を受けた取引が一巡した⁠後は、ドル/円は156円を挟んだ往来となり、日経平均は方向感に乏しくなった。先行きの‍利上げペースを読み解く上で、市場では植田和男総裁の会見に関心が寄せられたものの、新たに明確なメッセージを示すことはないとの見方が優勢で、日経平均は「年内は方向感が出にくく、5万円を挟んだ動きではないか」(大西氏)との声が聞かれた。

日銀は同日の会合で政策金利を0.75%に引き上げることを全員‍一致で決めた。政策金利は1995年9月以来30年ぶりの高い水準となった。

TOPIXは0.8%‍高の3383.66‌ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.8%高‍の1742.58ポイントだった。プライム市場の売買代金は6兆6499億7600万円だった。東証33業種では、値上がりは非鉄金属や建設、情報・通信など28業種、値下がりはその他製品や海運、水産・農林など5業種だった。

三井住友フィナンシャルグループ、三菱重工業は堅調。武田薬品工業は年初来高値を更新した。一方、任天堂は大幅⁠安。ニトリホールディングス、エーザイは軟調だった。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.72%高の656.67ポイントと、4日ぶり反発した。きょうグ⁠ロース市場に新規上場したパワーエックスの初値‍は公開価格を7.3%下回った。スタンダード市場に上場したギミックの初値は公開価格を5.2%下回った一方、辻・本郷ITコンサルティングの初値は公開価格を61%上回った。

東証プライム市場の騰落​数は、値上がりが1161銘柄(72%)、値下がりは385銘柄(23%)、変わらずは60銘柄(3%)だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 49507.21 505.71 49387.71 49,257.15─49,7

66.96

TOPIX 3383.66 26.77 3372.42 3,366.77─3,397

.08

プライム指数 1742.58 13.8 1737.99 1,734.39─1,749

.23

スタンダード指数 1515.83 13.4 1505.47 1,504.84─1,515

.83

グロース指数 861.99 13.44 850.9 849.82─863.33

グロース250指数 656.67 11.09 647.56 646.62─657.69

東証出来高(万株) 274668 東証売買代金(億円) 66499.76

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英小売売上高、11月は前月比0.1%減 予算案控え

ワールド

中国、米国防権限法の対中条項に強い不満 実施見送り

ビジネス

英財政赤字、11月は市場予想以上の規模に

ビジネス

ニデック、永守氏が19日付で代表取締役を辞任 名誉
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 7
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中