最新記事

中国

自民党総裁選4候補の対中政策と中国の反応

2021年9月20日(月)21時04分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

それまで岸田氏に関しては上品な面持ちなどから好感度が高く、ある意味ファンだったのだが、回答するときの岸田氏の態度は実に傲慢で「お前ごときが何を言うか」といった偉ぶった表情だったことから非常に失望した経験がある。

しかし今般の立候補に当たっては、昨年の総裁選失敗で「岸田はもう終わった」と言われたことから反省し一念発起した旨のエピソードを聞いたり、また実際に謙虚になった真剣な表情を見るにつけ、支援したい気持ちが少しだけ湧いてきた。

高市早苗候補

高市氏に関してはわざわざここで書くまでもなく、実に毅然としていて主義主張が一貫しており、対中政策に関しても頼もしく、全くブレがない。国家観もしっかりしているのは高市氏だけだ。スピーチもうまく、全面的に支持したい。

一つだけ難を言うなら、個人的感覚だが、推薦人の中に片山さつき氏がいることだ。

片山氏は、その昔、ある政治家のパーティーで一緒になり、ご挨拶をしようと思って、相当に腰を低くして名刺を渡したのだが、彼女は「0.1秒」ほど私の顔を見たが、名刺を見ることはなく、サッと私の手から名刺を取るとそのまま隣にいた秘書に「捨てるように」渡し、私とは口を利くこともなければ顔を見ることもなく、他の大物政治家の所ににじり寄っていった。

こんな人物が推薦人に入っていると、論功行賞で閣僚になったりする可能性があるので、それを思うと高市氏を応援したい気持ちが引いていく。

議員の方々、日ごろの言動は重要であることを肝に銘じてほしい。

「大河の一滴」とまでは言わないが、「一寸の虫にも五分の魂」がある。

「お前ごときが」という傲慢さは、自らに跳ね返ってくる。

野田聖子候補

野田氏に関しては、やはり多くを語る必要はないだろう。対中政策に関しては非常に「平和的」で、昔の社会党を思い出す。中国からも「ハト派」と称されている。

中国の4候補に対する反応

さて、その中国だが、自民党総裁選に関する情報は、まるで自国の問題であるかのように、実ににぎにぎしくネットに溢れかえっている。

官側の論評としては中国共産党機関紙「人民日報」傘下の「環球時報」電子版「環球網」が最も多く、新華網や中央テレビ局CCTVの情報も数多くみられる。

いずれも「明確に親中である」として河野太郎を大きく扱っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 4

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 5

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 9

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 10

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 9

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中