最新記事

動物虐待

「処理」された犬たちの首輪の山──韓国・犬肉農場のぞっとする光景

Eerie Dog Meat Farm Photo Shows Pile of Collars Belonging to Dead Animals

2021年9月7日(火)22時22分
アリストス・ジョージャウ

210907dog2.png
動物愛護団体HSI韓国支部のナラ・キムに救い出された犬(8月31日)    JEAN CHUNG/FOR HSI

「当局が今後、問題の農場主を動物虐待罪で訴追する見通しだ。現在の動物保護法に、犬肉農場の犬たちを保護する内容はほとんど含まれていないなか、法執行当局者たちが、数少ない規則をきちんと施行していることには勇気づけられる思いだ。この残虐な産業を全面的に厳しく取り締まるために、食用目的での犬の繁殖や飼育、屠殺や販売の禁止を目指して、引き続き活動を行っていく」

珍島のこの犬肉農場は今は閉鎖されている。農場主は地元でレストランを経営しており、ここで犬肉料理も提供していたが、食用犬の飼育と同様、レストランでの犬肉料理の提供もやめることに同意したという。

農場から救い出された犬たちは現在、韓国南部の保護施設が世話をしており、今後は北米に送られ新たな買い主を見つけることになる。

HSIによれば、現在韓国には数千の犬肉農場があり、100~200万頭が飼育されていると推定される。

多くの韓国人は犬肉を食べる習慣がなく、韓国当局は近年、犬肉産業の取り締まりに向けた複数の措置を取っている。

犬肉産業の禁止を

HSIイギリス支部のウェンディ・ヒギンズは、声明の中で次のように述べた。「多くの人が、犬肉産業に反対する考え方は西側諸国にしかないと誤解しているが、実際には韓国の多くの人が、犬肉を食べることには関心がない。動物たちの苦しみを終わらせるために多くの地元当局や政治家たちも尽力している」

「犬肉農場の近くに住んでいる人々からは、悪臭や犬の鳴き声による騒音について、当局に苦情が寄せられることが多い。これまでにも、我々が犬の屠殺場の閉鎖を手助けした際には、近隣住民から感謝されてきた。犬が苦痛であげる叫び声を聞くのは、堪えがたいことだからだ。韓国の人々は、犬肉産業に対する支持も共感も失いつつあり、政策立案者たちが取るべき次なる措置は、この産業を禁止することだ」


ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

アングル:日銀、柔軟な政策対応の局面 米関税の不確

ビジネス

米人員削減、4月は前月比62%減 新規採用は低迷=

ビジネス

GM、通期利益予想引き下げ 関税の影響最大50億ド

ビジネス

米、エアフォースワン暫定機の年内納入希望 L3ハリ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中