最新記事

東京五輪

東京五輪が無観客なら、競技をZoomでやればいい

Why Not Run on Zoom?

2021年7月12日(月)17時40分
トム・スコッカ(スレート誌記者)
シャカリ・リチャードソン

リチャードソンの走りを世界に生配信すれば多くのファンが楽しめる KIRBY LEE-USA TODAY SPORTS-REUTERS

<陸上の金メダル候補シャカリ・リチャードソンが不祥事でアメリカ代表を外れた。コンサートから政治集会まで何でもリモートでできる今なら、別の場所で同時に走ればいいのでは?>

東京五輪をめぐる状況は、開幕が目前に迫った今も悪化の一途をたどっている。

新型コロナウイルス対策として外国からの観客受け入れが見送られ、テレビ観戦するしかないアメリカ人にとって、先週は残念なニュースが舞い込んだ。

陸上女子短距離の金メダル候補シャカリ・リチャードソンが不祥事を理由に100メートルの代表を外れ、さらに400メートルリレーの代表からも外されたのだ。

しかも開幕が迫るなか、日本政府は新型コロナの感染再拡大を受けて、東京に4度目の緊急事態宣言を発令。首都圏の1都3県と北海道で無観客の競技実施を決めた。

もう東京五輪は、大勢の観客がスタンドを埋める4年に1度のスポーツの祭典ではない。不気味な静けさの漂う競技場で、選手たちがひっそりと競い合うイベントになる。パンデミック(感染症の世界的大流行)に打ち勝つどころか、世界中のテレビ観戦者にその厳しい現実を突き付け、寂しさを味わわせる場になる。

ただし、解決策が1つある。リチャードソンが「出場」することだ。ワクチン接種を済ませたアメリカのファンの前で、彼女が1人で走ればいいのではないか。

どうせなら楽しい茶番に

このパンデミックで私たちは、物理的にその場にいなくても、イベントに参加できることを知った。中学校のコンサートから民主党全国大会まで、たいていのものは自宅の居間で見届けられると分かってしまった。

他のオリンピック選手たちが東京の国立競技場のトラックを走り、その足音が空っぽの観客席にむなしく響き渡るなか、リチャードソンが同じ時刻にアメリカで独走することは十分に可能だ。

場所はニューオーリンズのスーパードームでもロサンゼルス・メモリアル・コロシアムでも、交通を規制したラスベガスの大通りでもいい。歓声を上げる観客の前でリチャードソンが走る姿を、世界に生配信することはできる。

まるで彼女が東京にいるように見えるだろうし、ファンにとっては東京で走るよりもいい。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中東紛争4日目、攻撃広がり犠牲増加 想定以上に作戦

ビジネス

ニデック第三者委「永守氏が一部不正容認」、業績圧力

ビジネス

ユーロ圏消費者物価、2月1.9%に加速 懸念される

ビジネス

中東紛争でインフレ加速も、世界経済への打撃は軽微=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医師が語る心優先の健康法
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 9
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 10
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 8
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 9
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 10
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中