最新記事

ジェンダー

トランスジェンダーの選手は女子スポーツに出るべきでない...五輪金メダリストの発言が物議

Caitlyn Jenner Slammed On Twitter For Opposing Trans Girls In Female Sports

2021年5月4日(火)13時22分
キャサリン・アルメシン
ケンダル・ジェンナー(左)とケイトリン・ジェンナー(2019年2月)

娘のケンダル・ジェンナー(左)とポーズをとるケイトリン・ジェンナー(2019年2月) REUTERS/Danny Moloshok

<生物学的には男性であるトランスジェンダーのアスリートが、女子選手として競技に出場するのはフェアではないのか>

モントリオール五輪の陸上・十種競技で金メダリストを獲得したケイトリン・ジェンナー(71)は、ケンダル・ジェンナーとカイリー・ジェンナーの実父で、キム・カーダシアンの義父というセレブ一家の一員でもある。そんなジェンナーは、過去にトランスジェンダーであることを公表し、ブルース・ジェンナーから現在の名前に改名した経歴もアメリカではよく知られている。

4月にカリフォルニア州知事選への出馬を表明して注目を浴びているジェンナーだが、そんななかで米ニュースサイトTMZの記者の直撃インタビューを受けた内容が、ネット上で大きな論争を呼んでいる。

ジェンナーは、生物学的には少年であるトランスジェンダーが、学校で女子スポーツに参加することを禁じる法案を支持すると答えた。「これは公正さに関する問題だ」と、ジェンナーは語った。「純粋にフェアではなく、学校における女子スポーツを守らなければならない」

「LGBTQコミュニティーの友人ではない」

このインタビューが公開されると、SNSでは賛否が飛び交った。なかでも多いのは、この発言は本来であればジェンナーが代弁者となるべきLGBTQ+コミュニティーへの裏切りであり、公正ではないとする意見だ。

俳優のジョージ・タケイは「ケイトリン・ジェンナーはLGBTQコミュニティーの友人ではない。彼女を活動家と呼ぶべきではない。彼女は脅威だ」とツイートした。

ドラァグクイーンのトリニティ・ザ・タックは「トランスジェンダーの女の子は女の子だ。トランスジェンダーの男の子は男の子だ。性別に関係なく、誰もが違う体格をしている。どんな区分にだって、とても体格の小さい人もいれば、体格の大きな筋肉質の人もいる! 誰かのジェンダーを非合法化するようなことはやめなさい。SHAME ON U @Caitlyn_Jenner」と記した。

一方、ジェンナーの発言を支持する声もあがった。生物学的には男性であるトランスジェンダーは身長や体格、筋力の面で有利であるため、女子選手と競うべきではないという意見だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、予想下回るGDPが圧迫

ビジネス

再送米GDP、第1四半期+1.6%に鈍化 2年ぶり

ビジネス

ロイターネクスト:為替介入はまれな状況でのみ容認=

ビジネス

ECB、適時かつ小幅な利下げ必要=イタリア中銀総裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中