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地球から最も近く、これまでで最も軽いブラックホールが発見される

2021年4月26日(月)17時45分
松岡由希子

ブラックホールによって歪んだ赤色巨星 Lauren Fanfer

<地球から1500光年先で、これまでで最も地球に近く、最も軽いブラックホールが発見され、「ユニコーン」と名付けられた...... >

天の川銀河内の一角獣(いっかくじゅう)座方向にある地球から1500光年先で、赤色巨星「V732 Mon」と連星をなす、太陽質量の約3.04倍のブラックホールが発見された。

「ユニコーン」と名付けられたこのブラックホールは、これまでで最も地球に近く、最も軽い。一連の研究成果は、2021年4月21日、学術雑誌「王立天文学会月報」で発表されている。

太陽質量の5倍未満のブラックホールは観測されていなかった

ブラックホールの中で最も質量の小さい「恒星質量ブラックホール」は超大質量星が崩壊したときに生まれ、太陽質量の5倍から数十倍の質量を持つ。

太陽質量の5倍未満ではブラックホールが観測されておらず、これを「質量ギャップ」というが、米オハイオ州立大学らの研究チームは、2019年11月、太陽質量の約3.3倍のブラックホールを初めて発見し、太陽質量の5倍未満のブラックホールが存在することを示した。

オハイオ州立大学の研究チームは、この研究成果をふまえ、アメリカ航空宇宙局(NASA)のトランジット系外惑星探索衛星(TESS)やオハイオ州立大学らが運用する観測システム「KELT」などによる赤色巨星「V732 Mon」の観測データを分析。

見えない何かが赤色巨星を周回し、軌道上の様々なポイントで赤色巨星の光の強度や外観を変化させていることに気づいた。何かが赤色巨星を強く引っ張り、その形状を変えていたという。

赤色巨星がブラックホールによって歪んだ

研究論文の共同著者でオハイオ州立大学のトッド・トンプソン教授は「月の重力が地球の海を歪ませ、海が月に向かって膨らんで潮の満ち引きが生じるように、赤色巨星がブラックホールによって歪ませされ、ラグビーボールのような扁球になっている」と解説する。

研究チームは、赤色巨星の速度や軌道の周期、潮汐力による赤色巨星の歪み方から「ブラックホールの質量は太陽質量の約3倍である」と結論づけた。

星がどのように形成され、どのように死にゆくのかを解明するうえで、銀河系のブラックホールを研究することは重要だが、ブラックホールを既存の観測機器で検出するのは極めて困難だ。

近年は、より小さなブラックホールの探索に向けた大規模な研究がすすめられており、トンプソン教授らは、「将来的に『質量ギャップ』にあたるブラックホールがより多く見つかるだろう」と期待を寄せている。

'Unicorn' Black Hole Discovered in Monoceros Constellation

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