最新記事

デジタル化

台湾、イスラエル...コロナ対策で力を発揮した「デジタル先進国」

2021年4月13日(火)17時05分
ニューズウィーク日本版編集部
台湾、台北、新型コロナウイルス

コロナ対策にスマートフォンは不可欠(台北、昨年11月) Ann Wang-REUTERS

新型コロナウイルス感染症が世界に蔓延し、1年が過ぎた。

このコロナ禍は世の中のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を推し進めたが、コロナ対策においても国レベルの「デジタル力」が問われている。

「デジタル」を武器にコロナ制圧に成功している国と言えば、まずは「監視国家」の中国が挙がるが、もちろんそれだけではない。

ほかにはどんな国があるか。

接触確認や感染経路追跡、ワクチン接種証明......。ここでは「優等生」を4カ国選び、その取り組みを手短に紹介する。

なお、4月13日発売の「日本を置き去りにする デジタル先進国」特集(2021年4月20日号)では、中国の「デジタル・コロナ対策」の実態に迫る一方、台湾人も「監視」を受け入れているのはなぜかを検証した。

日本はそこから何を学べるのか――。

台湾

昨年2月にはデジタル担当相のオードリー・タン(唐鳳)が主導し、マスクの市中在庫をリアルタイムで確認できるアプリを3日間で開発する偉業もあったが、コロナ封じ込めに何より力を発揮しているのは徹底した感染経路の追跡だ。

隔離対象者には携帯電話を渡し、携行を義務付け。健康確認に使うだけでなく、隔離場所を離れるとすぐに警告を出す。

デジタル競争力世界11位の実力をいかんなく発揮し、感染者数は累計1000人強にとどまっている。

イスラエル

人口当たりのワクチン接種率は世界一。

接種を完了した人や感染後に回復した人は、アプリを通じて免疫があることを証明し、ホテルやレジャー施設などを利用できる「グリーンパス」を導入済みだ。

また3月には、帰国者や特定の国から入国した人は、空港でコロナ検査を受け、陰性の場合は国営ホテルで隔離期間を過ごすか、現在地を監視する電子ブレスレットの着用が義務付けられた。

隔離を守っていない場合は当局に通知が届く仕組みだ。

韓国

コロナ禍の初期から、注目を集めた「ドライブスルー方式」のPCR検査や、クレジットカードの利用履歴・監視カメラ映像などを活用した徹底した感染経路追跡を実施してきた。

感染者は1人1人、何月何日の何時にどこを訪れ、その後はどこに移動し......と行動履歴を当局のサイトで公開される(匿名化はされている)。

これで感染経路は特定できるが、それでも4月8日には新規感染者が3カ月ぶりの700人超に。気の抜けない状況が続く。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国IT大手、AI訓練を国外移転 エヌビディア半導

ビジネス

午後3時のドルは156円付近へ下落、米休暇前に調整

ビジネス

米ホワイトハウス付近で銃撃、州兵2人重体 容疑者は

ビジネス

JPモルガン、FRB利下げ予想12月に前倒し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中