最新記事

アジア系差別

韓国系移民の共和党候補が「中国系移民はアメリカに来るな」と発言

Ex-Trump Official Rejects Chinese Immigrants, Says It's OK as She's Korean

2021年4月5日(月)17時14分
キャサリン・ファン
韓国系移民のセリー・キム

元上司のトランプ同様に新型コロナと中国人を結びつける発言をして激しい批判を浴びているセリー・キム(右) Twitter

<下院補選への出馬に意欲見せるも、先輩の韓国系女性議員からは総スカン>

トランプ政権で中小企業庁の高官を務め、今はテキサス州の下院補選に共和党候補として出馬を狙うセリー・キムが、中国からの移民の入国を拒絶すべきだと述べて物議を醸している。自分は韓国系だから、こうした発言をしても許される――そんな主張も行った。

キムは3月31日に行われた政治集会で、中国からの移民は新型コロナウイルスを持ち込む可能性があるため、アメリカへの入国を認めるべきではないと述べた。こうした主張は、アメリカでアジア系への差別が深刻化している原因とも言われている。

ダラス・モーニング・ポストによれば、キムは集会で中国からの移民について「ここ(アメリカ)にいて欲しくない。彼らはわが国の知的財産を盗み、コロナウイルスを持ち込み、やったことの責任も取らない」と述べたという。

またキムは「正直なところ、私は韓国系だからこういうことも言える」と語ったという。

本誌の取材に対しキムは「リベラル系メディアが私をアジア系アメリカ人に対する(人種的な)憎悪のシンボルに仕立てようとしていることにショックを受けている。中国共産党に異議を唱えたというだけで、アジア系で移民の私に反アジア系、反移民のレッテルを貼ろうとするなんて」と回答した。

アジア系への暴力事件増加も否定

キムは韓国生まれで、子供の頃に家族とともにアメリカに移住、一家はテキサス州に定住した。2月にテキサス州選出の共和党の下院議員が新型コロナウイルス感染症で死去したため、補欠選挙に立候補しようと同党からはキムを含む11人が名乗りを上げている。

キムはまた、アジア系アメリカ人を狙った暴力事件は以前からあり、最近メディアが報道するようになって目立っているだけだと主張した。

「今の最大の違いは、みんなが動画を撮っていて、メディアがそれを報道する選択をしているということだ」とキムはダラス・モーニング・ニュースに語った。「アジア系は常に暴力に直面してきた。以前よりもひどくなったわけではない」

「私はアジア系アメリカ人で、これまで差別を感じたことはない。中国が実際に生み出した問題について、対中非難の声を上げているからだ」とキムは集会で述べた。

アメリカでは、アジア系アメリカ人に対する襲撃や脅迫といった事件が増えている。先月にはアトランタで、アジア系女性6人を含む8人が射殺される事件も起きた。

先月、カリフォルニア州立大学サンバーナーディーノ校ヘイト過激主義研究センターが発表した研究によれば、アジア系を標的にしたヘイトクライム(憎悪犯罪)は2019年から2020年にかけて145%増加した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

米安保戦略、ロシアを「直接的な脅威」とせず クレム

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中