最新記事

人権問題

中国・新疆の企業、強制労働疑惑を主張する米国研究者を提訴

2021年3月10日(水)09時14分

中国・新疆ウイグル自治区の共産党の公式ニュースサイトによると、同自治区の綿産業で強制労働が行われているとの報告書をまとめた人権問題の研究者が地元企業から民事提訴された。写真はカシュガルで2018年9月撮影(2021年 ロイター/Thomas Peter)

中国・新疆ウイグル自治区の共産党の公式ニュースサイトによると、同自治区の綿産業で強制労働が行われているとの報告書をまとめた人権問題の研究者が地元企業から民事提訴された。

地元企業は損害賠償を求めているという。地元企業の名称や賠償請求額は不明。

提訴されたのは、米国を拠点に活動する人権問題の研究者エイドリアン・ゼンツ氏。

地元企業は、同氏の報告書は事実とは異なると主張。この報告書により同自治区の綿産業の評判が低下し、米国の綿製品輸入禁止で経済的損失を被ったと訴えている。

ロイターは訴状を確認できていない。

共産党の公式ニュースサイトによると、訴訟は同自治区の地元の裁判所に起こされたが、提訴した時期は不明。同自治区の政府のコメントは取れていない。

米国のトランプ前政権は昨年12月、新疆生産建設兵団(XPCC)が生産した綿製品の輸入を禁止。今年1月には同自治区で生産された綿とトマト関連製品全ての輸入を禁じると発表した。強制労働を理由に挙げたが、情報源は明らかにしていない。

XPCCのコメントは取れていない。

米国の非営利団体フリーダム・ハウスの中国担当リサーチディレクターは「(訴訟は)こうした深刻な人権侵害を調査する人々の負担を増やそうとする戦術のように見える」と述べた。

提訴されたゼンツ氏は米国の非営利組織、共産主義犠牲者記念財団のシニアフェロー。同財団は共産主義国の人権問題を調査しており、新疆ウイグル自治区やチベット自治区の民族政策を批判している。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イラン、米CIAに停戦に向けた対話の用意示唆=報道

ビジネス

ミランFRB理事、年内利下げ継続を主張 「イラン攻

ビジネス

金利据え置きを支持、インフレ見通しはなお強め=米ク

ワールド

イラン作戦必要な限り継続、トランプ氏暗殺計画首謀者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中