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2022年の米中間選挙、共和党員がすがるのはトランプの神通力

2021年3月22日(月)17時59分

一方、トランプ氏の豪奢な別荘「マールアラーゴ」には、同氏の支援を求める共和党の出馬予定者が吸い寄せられている。リチャード・グレネル元駐独大使は先日、かつてのボスであるトランプ氏とマールアラーゴで夕食を共にした。事情に詳しい情報提供者がロイターに語ったところでは、2人の間で交わされたさまざまな話題の中には、カリフォルニア州知事選挙に向けてグレネル氏が共和党の候補指名をめざす可能性も含まれていたという。

グレネル氏はコメントを控えている。

トランプ頼み

ワシントン州カウリッツ郡に話を戻そう。先週、第3選挙区での選出をめざす共和党出馬予定者のためのフォーラムでは、トランプ氏の党内での影響力が鮮明になった。

会場の入口では、トランプ氏とメラニア夫人の等身大パネルが有権者を出迎えた。フォーラムの半ばで聴衆の1人が出馬予定者にこう尋ねる。「2016年と2020年の選挙のとき、皆さんは実際のところ、ドナルド・トランプ候補の選挙運動にどのように貢献したのですか」

過去3回の大統領選挙において、共和党の大統領候補は、この広大な選挙区で毎回勝利を収めてきた。とはいえ、人口が最も急速に増大しているクラーク郡では、リベラルなオレゴン州ポートランドと隣接していることもあり、バイデン候補がトランプ候補を上回った。

2016年、トランプ氏はこの第3選挙区で民主党のヒラリー・クリントン候補を7ポイント差で破った。だが昨年11月に同区でバイデン候補につけた差は4ポイントまで縮まっており、ますます接戦になる選挙区において共和党が抱えるリスクが高まっていることを示している。

一方、この選挙区の現職下院議員であるヘレーラ・ブートラー議員は昨年11月の選挙で13ポイント差で勝利した。支持が低下したトランプ氏とは対照的な強さを見せ、トランプ氏が獲得できなかった穏健派共和党支持者や無党派の票を集めたことを示唆している。

ヘレーラ・ブートラー下院議員にインタビューを申し込んだが、応じてもらえなかった。

ライバル候補は、同下院議員が弾劾決議に賛成したのは「裏切り行為」であると称し、国内各地の複数の裁判所や選挙当局者がすでに否定しているトランプ氏の「不正選挙」の主張を触れ回っている。

ヘレーラ・ブートラー下院議員の選挙陣営で広報担当者を務めるパーカー・トゥルアックス氏は、対立候補について「根拠のないデタラメで選挙の敗戦理由を説明するのは、どれだけ多くの人がそれを試みるとしても、ワシントン州南西部で選挙運動を成功させる基盤にはならない」と評する。

ペンシルベニア州では、マイク・ケリー下院議員が、任期切れを迎えるトム・ウルフ州知事(民主党)の後継をめざして州知事選に出馬するか、引退するパット・トゥーミー上院議員の議席を狙うことになれば、トランプ氏との人脈を活用する、と話している。

ケリー下院議員は、大統領選での敗北という結果を覆そうとするトランプ氏の試みを連邦議会から支援した最有力の支持者の1人である。ケリー氏は、ペンシルベニア州における数百万票もの郵便投票の無効を求めて連邦最高裁まで争って敗れた訴訟の急先鋒となっていた。

「大統領に電話して支援を仰ぐことは可能だろう」とケリー氏は言う。

トランプ氏は昨年11月の大統領選で、フィラデルフィア及び近郊において穏健派の離反を招いたことで、ペンシルベニア州を失った。ケリー氏によれば、それでも州内の一定の地域ではトランプ氏の支援を得ることが「非常に力になる」という。

(Nathan Layne記者、Steve Holland記者、James Oliphant記者、Deborah Bloom記者、翻訳:エァクレーレン)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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