最新記事

人権問題

ロシア、反体制派ナワリヌイに3年6カ月の実刑判決 欧米諸国は即時釈放要求

2021年2月3日(水)11時07分

モスクワの裁判所は2日、ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏に対し、懲役3年6月の実刑判決を下した。写真は出廷したナワリヌイ氏。提供写真(2021年 ロイター)

モスクワの裁判所は2日、ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏に対し、懲役3年6月の実刑判決を下した。この決定を受け、欧米諸国からは同氏の即時釈放を求める声が上がり、モスクワでは支持者が抗議行動を再開した。

ナワリヌイ氏の弁護士によると、自宅軟禁されていた時期があるため、実際の服役期間は2年8カ月になる。弁護団は上告するとしている。ナワリヌイ氏は政治的な動機に基づいていると非難した。

プーチン政権に批判的なナワリヌイ氏を巡っては、同政権が毒殺しようとした疑惑がある。療養先のドイツから1月17日に帰国した直後、モスクワ郊外の空港で司法当局に身柄を拘束された。これを受け、ロシアでは23日と31日、同氏の釈放を求める抗議デモが全国的に実施された。

モスクワの裁判所の周辺にはこの日朝から支持者が集まり抗議集会を開いた。判決後にナワリヌイ氏陣営は支持者にモスクワ中心部での抗議運動を呼び掛けた。治安当局は900人以上を拘束した。

米国のブリンケン国務長官は声明で「ロシア当局がナワリヌイ氏に実刑判決を下したことを米国は深く懸念している」とし、「ナワリヌイ氏を無条件で即時釈放するよう、ロシア政府に呼び掛ける。(抗議活動に参加し)不当に拘束された多くのロシア市民の解放も呼び掛ける」とした。

英国のジョンソン首相もツイッターに、司法における最も基本となる基準を満たしていないと判決を批判し、ナワリヌイ氏の即時釈放を求めた。

ドイツのメルケル首相も同氏の即時釈放を求めるとともに平和的な抗議活動に対する暴力行為を止めるよう強く求めた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...
→→→【2021年最新 証券会社ランキング】



ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英建設業PMI、11月は39.4 20年5月以来の

ワールド

ウクライナ軍撤退なければ、ドンバス地方を武力で完全

ビジネス

アングル:長期金利2.0%が視野、ターミナルレート

ワールド

中国、レアアース輸出ライセンス合理化に取り組んでい
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 4
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中