最新記事

ロシア、独など3カ国の外交官追放 ナワリヌイ釈放求める抗議活動に参加

2021年2月6日(土)11時39分

ロシアは5日、反体制派指導者ナワリヌイ氏の釈放を求める抗議活動に参加したとして、ドイツ、ポーランド、スウェーデンの外交官を国外追放すると発表した。写真は昨年11月、モスクワの赤の広場で撮影(2021年 ロイター/Maxim Shemetov)

ロシアは5日、反体制派指導者ナワリヌイ氏の釈放を求める抗議活動に参加したとして、ドイツ、ポーランド、スウェーデンの外交官を国外追放すると発表した。

ロシア外務省は、外交官としてのこうした行為は容認できないとしている。

これに対し、ドイツのメルケル首相はフランスのマクロン大統領とのビデオ会議後の記者会見で「国外追放は正当化できない」とし、ロシアは法の統治からさらに一歩遠ざかったと非難。マクロン大統領もロシアを強く非難した上で、「フランスは外交官が追放された3カ国と連帯する」と述べた。

メルケル首相はその後、マクロン大統領との共同記者会見で、対ロシア制裁を維持する姿勢を示しながらも、ロシアとの「外交上の義務」から対話の道筋は閉ざさないと述べた。

こうした中、欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表はこの日、訪問先のモスクワでロシアのラブロフ外相と会談し、ナワリヌイ氏の釈放を呼び掛けた。

ラブロフ氏はこれに対し、対ロシア制裁を導入するか決定するのはEU次第とした上で、一方的な制裁措置を利用するという点でEUは米国と同様の態度をとっていると非難した。

ナワリヌイ氏は1月17日、療養先のドイツから帰国した際に拘束され、モスクワの裁判所は今月2日、同氏に対する懲役3年6月の実刑判決を下した。欧米諸国からは同氏の即時釈放を求める声が上がっており、ロシアとの対立が深まっている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



ニューズウィーク日本版 Newsweek Exclusive 昭和100年
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月12日/19日号(8月5日発売)は「Newsweek Exclusive 昭和100年」特集。現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

欧州、ウクライナの利益守る必要性強調 米ロ会談控え

ワールド

アラスカにゼレンスキー氏招待も、米が検討=報道

ワールド

アングル:イラク国民、電力網不安定で太陽光発電に転

ワールド

半導体への関税率、EUに「劣後しないこと」を今回の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 2
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段の前に立つ女性が取った「驚きの行動」にSNSでは称賛の嵐
  • 3
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中印のジェネリック潰し
  • 4
    伝説的バンドKISSのジーン・シモンズ...75歳の彼の意…
  • 5
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    60代、70代でも性欲は衰えない!高齢者の性行為が長…
  • 9
    メーガン妃の「盗作疑惑」...「1点」と語ったパメラ・…
  • 10
    今を時めく「韓国エンタメ」、その未来は実は暗い...…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 10
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中