最新記事

文化

フランス人の私が日本に戻って心底感じた「自由」とは コロナが母国から奪った「liberté」

2021年1月5日(火)16時00分
ドラ・トーザン(国際ジャーナリスト、エッセイスト) *東洋経済オンラインからの転載記事

日本の永住権を持っているフランス人の筆者が8カ月ぶりに日本に帰ってきて感じたこととは(写真:筆者撮影)

かつて日本がこんなに「自由」だと感じたことがあったでしょうか――。

やっと日本に"帰って"来ることができました。日本は、25年以上前、初めて来てから私が自然と受け入れることができた国(それとも私を受け入れてくれた国と言ったほうがいいでしょうか)です。それなのに、3月にフランスに発ってからというもの、ここ何カ月も日本に戻って来たくても、なかなかそれがかないませんでした。なぜなら日本は永住権を持っている、私のような外国人にさえ門戸を閉ざしてしまっていたからです。

これではまるで鎖国をしていた江戸時代と同じ。やはり日本は島国だったのだ......と思ったのもつかの間、11月にさまざまな手続きを経て、ようやく日本に戻ってくることができました。そして、とても奇妙なことに、ここ日本でこれまでにないほどの自由を感じているのです。

どうやって入国したか

その前に、どうやって日本に入国できたのかをお話ししましょう。まずはフランスを発つ前にパリでPCR検査を受け(出発の72時間前以内)、関西国際空港についてからも医療スタッフによる検査を再度受診(今度は唾液検査)。その結果が出るまで45分待ち、陰性の場合は入国手続きを行います。このとき、さらに厳重に検査結果を調べるほか、パスポートや搭乗券も通常時より厳しくチェック。

やっと終わったと思って前に進もうとすると、入国審査官から「ダブルチェック!」と呼び止められました。この時、人生で初めて入国できるか不安に。でも辛抱強く待っていると、ようやく最終的なOKが出ました。

パリから関西国際空港の機内には40人(400席のうち)ほどしか乗っていませんでしたが、この日がボジョレーヌーヴォーの正式な解禁日ということもあり、飛行機はワインでいっぱいでした。搭乗前に預けていた荷物を受け取ろうと、コンベアを見ると私のスーツケースがぽつん、と置いてあるだけでした。もちろん私は公共交通機関を利用することが許されなかったので、大阪に住む知人が空港まで迎えに来てくれました。

それから、私は友人の自宅で2週間の自己隔離を行いました。入国するのにあれだけ厳しかったので、入国管理局などからこの間、連絡があるのではないか、と思っていましたが、一旦入国してからはとくに追跡調査はありませんでした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パナマ最高裁、香港企業の港湾契約に無効判断 売却計

ビジネス

中国の25年歳入が5年ぶり減少、不動産不況と内需低

ビジネス

独失業者数、1月は横ばい 労働市場の勢い欠如浮き彫

ビジネス

インタビュー:財政懸念で円高継続の可能性少ない、日
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 4
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 5
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 6
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 7
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 8
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 9
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 10
    配達ライダーを飲み込んだ深さ20メートルの穴 日本…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 8
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 9
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中