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インド外相 対米貿易交渉に「譲れぬ一線」 米代表団の訪印取りやめ

2025年08月25日(月)13時02分

インドのジャイシャンカル外相は23日、米国との貿易交渉は継続中だが、インド政府として譲れない一線があると述べた。資料写真、5月撮影(2025年 ロイター/Annegret Hilse)

[ムンバイ 23日 ロイター] - インドのジャイシャンカル外相は23日、米国との貿易交渉は継続中だが、インド政府として譲れない一線があると述べた。インド経済紙エコノミック・タイムズがニューデリーで開いたイベントでの発言。

ジャイシャンカル氏は「われわれには交渉において守り抜かなければならない一線がある」と述べ、特に農民や中小生産者の利害に言及。「われわれには国益について決断を下す権利がある」と主張した。

トランプ米大統領について、「これほど開けっぴろげな外交政策を展開する米大統領はこれまでいなかった。外国とのビジネス交渉のやり方が従来と異なる」と評し、トランプ氏の政策発表のやり方は「異常」との認識を示した。

また、米国はインドのロシア産原油購入に懸念を示す一方、中国や欧州連合(EU)など他の主要な買い手にはインドに対するような懸念を示していないと批判を展開。「もし石油が問題なら、他にも大口の購入者がいる。もし(ロシアとの)貿易の規模が問題なら、もっと大きな取引相手がいる」と述べ、欧州はロシアとの貿易額がインドよりも大きいと指摘した。

トランプ米政権はロシア産原油の購入を理由に、インドの相互関税に25%を上乗せする方針を示している。この措置が8月27日に発動するとインドの関税は50%になる。

米通商代表団が予定していた25-29日のインド訪問は計画が中止され、関税の引き下げや導入延期の期待は消えた。

ロイター
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