ＨＳＢＣスイス子会社、中東の富裕層顧客1000人超との取引停止＝ＦＴ

英紙フィナンシャル・タイムズ（ＦＴ）によると、金融大手ＨＳＢＣのスイスのプライベートバンク部門が中東の富裕層顧客１０００人以上との取引停止に乗り出した。資料写真、２０２３年１２月(２０２５年　ロイター/Dado Ruvic)

[２４日 ロイター] - 英紙フィナンシャル・タイムズ（ＦＴ）によると、金融大手ＨＳＢＣのスイスのプライベートバンク部門が中東の富裕層顧客１０００人以上との取引停止に乗り出した。

リスクの高い顧客を巡って当局の監視を受けていることが背景。事情に詳しい関係筋の話として報じた。

サウジアラビア、カタール、レバノン、エジプトなどで複数の顧客との関係を解消する。対象顧客の多くは１億ドルを超える資産を保有しているという。

ＨＳＢＣの国際ウェルス・プレミア・バンキング部門のバリー・オバーン最高経営責任者（ＣＥＯ）はロイターに対し、中東とスイスのウェルス事業に対する「絶対的なコミットメント」を維持していると述べた。

ＦＴによると、取引停止の対象となる顧客に対しては、サービスを利用できなくなることを伝えており、数カ月以内に口座を他行に移すよう助言する書簡を送付するという。

スイス連邦金融市場監督機構（ＦＩＮＭＡ）は昨年、ＨＳＢＣのプライベートバンク部門が政治的影響力のある２人の人物についてマネーロンダリング（資金洗浄）の防止義務に違反したと発表。２００２─１５年にかけて著名人が絡む総額３億ドルの疑わしい取引が行われたと述べた。