最新記事

パンデミック

マクロン、新型コロナウイルス検査で陽性 接触したEU首脳ら検査急ぐ

2020年12月18日(金)09時00分

フランス大統領府は、マクロン大統領が新型コロナウイルス検査で陽性と診断された、と発表した。写真はパリで14日、代表撮影(2020年 ロイター)

[パリ 17日 ロイター] - フランス大統領府は17日、マクロン大統領が新型コロナウイルス検査で陽性となったと発表した。先週末に欧州連合(EU)首脳会議に出席し、ここ数日もEU首脳らと相次いで会談しているため、EU全体で感染経路の特定が進められている。

大統領に初期症状が見られたため、PCR検査を受けて診断が確定したという。マクロン氏は大統領別邸で自主隔離に入り、職務はリモートで継続している。22日のレバノン訪問を含む外遊日程は全てキャンセルされた。

大統領府の当局者は、マクロン氏に倦怠(けんたい)感と咳の症状があると述べた。同氏は来週21日に43歳になる。

マクロン大統領は先週10、11日にブリュッセルで開催されたEU首脳会議に出席し、EU各国の大半の首脳らと接触。今週に入ってからは、ミシェルEU大統領、スペインのサンチェス首相、グリア経済協力開発機構(OECD)事務総長と14日に昼食を共にしたほか、16日にポルトガルのコスタ首相と会談した。

同当局者は、症状が出たタイミングを踏まえると、EU首脳会議で感染したのがほぼ確実だと述べた。

ドイツ政府によると、メルケル首相はEU首脳会議後のコロナ検査で陰性が確認された。

スペインのサンチェス首相も陰性が確認されたが、24日まで自主隔離に入る。ポルトガルのコスタ首相は自主隔離して検査結果を待っているが、症状はないと首相府が明らかにした。

妻のブリジットさんも検査陰性となったが、自主隔離措置を取る。また、この数日間にマクロン大統領と接触したカステックス仏首相も自主隔離する。

マクロン氏はコロナ流行当初すぐに感染予防のため「ナマステ」(合掌)方式の挨拶を採用したが、最近になってソーシャルディスタンスを確保しないことも多くなっていた。14日にグリアOECD事務総長と面会した際は握手を交わしている。仏大統領府はロイターに対し、これは「残念な」過ちだったとした。

ジョンソン英首相はツイッターに、マクロン氏の「早い回復を願う」と投稿。仏政府当局者によると、トランプ米大統領はマクロン氏に電話して早期回復を願う気持ちを伝えたという。ジョンソン、トランプ両氏は今年既に、コロナに感染している。

*情報を追加しました


[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、2.7万件減の19.1万件 3

ワールド

米メタ、メタバース事業の予算を最大30%削減との報

ワールド

トランプ氏、USMCA離脱を来年決定も─USTR代

ビジネス

米人員削減、11月は前月比53%減 新規採用は低迷
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 4
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 5
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 6
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 7
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 8
    【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライ…
  • 9
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 10
    白血病細胞だけを狙い撃ち、殺傷力は2万倍...常識破…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場の全貌を米企業が「宇宙から」明らかに
  • 4
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 5
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 6
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 9
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 10
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中