最新記事

中台関係

台湾最新のステルス哨戒艦、中国は「ヘリ1機で沈没させられる」と一蹴

PLA Helicopters Could Sink Taiwan's 'Aircraft Carrier Killers': State Mediaジョン・フェン

2020年12月18日(金)15時39分
ジョン・フェン

人民解放軍のZ9型攻撃ヘリコプター Jason Lee-REUTERS

<「空母キラー」と呼ばれる台湾の新しいコルベット艦は、「中国海軍の艦船の相手ではない」と中国国営メディア>

中国国営メディアは、台湾が新たに公開した「空母キラー」の異名を取るコルベット艦について、中国の戦闘ヘリ一機で沈没させられる程度のものだと一蹴した。

中国共産党機関紙人民日報系のタブロイド紙「環球時報」は12月16日付の社説の中で、中国空母に対抗するために台湾が新たに公開したステルス哨戒艦「塔江」について、中国人民解放軍のZ9型攻撃ヘリコプターの標的になり得るだろうと述べた。

台湾は15日に北東部の宜蘭県にある龍徳造船所で、自主建造した「塔江」の進水式を行った。台湾の蔡英文総統も進水式に参列した。

「塔江」には複数のミサイルや対艦兵器が標準搭載され、軍事アナリストらは、中国海軍に対する奇襲攻撃も可能なことから、台湾の沿岸防衛の要になるだろうと指摘している。しかし中国の軍事評論家、宋忠平は環球時報に対し、「塔江」は「高い射撃能力を持つ小型の艦船だが、人民解放軍に対する戦術は計画どおりにはいかないだろう」と述べた。

宋はさらに、台湾メディアが「空母キラー」と呼んでいるこの高速艦について、台湾海峡で軍事衝突が勃発しても、中国軍の艦船が相手になることはないだろうと主張した。「人民解放軍はそもそも台湾のコルベット艦に対抗するのに艦船を使わず、航空機で破壊するかもしれない」と彼は述べた。

「脅威増大」で発注数を増やした

環球時報は、中国軍のZ9型ヘリコプター1機でも、「塔江」を沈没させられるだけの弾薬が搭載できると指摘。「つまり、このコルベット艦はZ9型ヘリコプターの餌食になり得る訳だ」と述べた。

人民解放軍は11月以降、南シナ海で実弾発射を伴う軍事演習を展開しており、同海域に配備されている075型強襲揚陸艦に搭載されている複数のZ9型ヘリコプターもこの演習に参加している。075型強襲揚陸艦は最大30機の攻撃ヘリコプターを搭載可能で、今年に入って南シナ海に1隻、東シナ海に1隻配備されている。

「塔江」は2021年7月に就役予定で、台湾海軍は16日に発表した声明の中で、2023年までに6隻、2025年までにさらに5隻を建造する予定だと述べた。当初は2025年までに3隻を調達する計画だったものの、「敵からの脅威が増大している」ため、発注を増やしたということだ。

蔡は11月に、台湾として初めて、独自に潜水艦の建造を開始したと発表。2025年までに8隻が引き渡される予定だ。

アナリストたちは、これらの「メイド・イン・台湾」の潜水艦とコルベット艦について、既存の地上発射型対艦ミサイルシステムと合わせて、中国による台湾奪取を阻止する上で鍵を握る防衛手段となるだろうと指摘している。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

紛争は生産を5年で7%押し下げ、打撃は10年超=I

ワールド

イランと制裁緩和など緊密に協議とトランプ氏、武器供

ワールド

トランプ氏は早期紛争終結望む、イランと誠実交渉指示

ワールド

ヒズボラが攻撃停止か、イスラエルはレバノン攻撃継続
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 4
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 5
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 6
    【後編】BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音…
  • 7
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 8
    「王はいらない」800万人デモ トランプ政権への怒り…
  • 9
    キッチンスポンジ使用の思いがけない環境負荷...マイ…
  • 10
    5日間の寝たきりで髪が...ICUに入院した女性を襲っ…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 5
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 6
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 10
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中