最新記事

アメリカ政治

トランプ、ロシア疑惑で偽証罪に問われたフリン元補佐官に恩赦

2020年11月26日(木)10時44分

トランプ米大統領はロシアの大統領選介入疑惑を巡り偽証罪などに問われたマイケル・フリン元大統領補佐官(写真)に恩赦を与えた。ワシントンで2018年12月撮影(2020年 ロイター/Jonathan Ernst)

トランプ米大統領は25日、ロシアの大統領選介入疑惑を巡り偽証罪などに問われたマイケル・フリン元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に恩赦を与えた。トランプ政権発足後に恩赦を与えられた人物の中で最も高い地位に当たる。

トランプ氏はツイッターに「フリン氏に完全な恩赦が与えられたと発表できるのを非常に嬉しく思う。フリン氏と彼の素晴らしい家族は、とても素敵な感謝祭を迎えられるだろう」と投稿した。

フリン氏は2016年の大統領選へのロシアの介入疑惑を巡る米連邦捜査局(FBI)の聴取に偽証したことを2017年にいったん認めて司法取引を交わしたが、その後、有罪答弁を撤回し、検察にだまされて司法取引に持ち込まれ、自身の権利が侵害されたと主張していた。判決言い渡しは、これまで何度も延期されている。

フリン氏はトランプ政権発足時から大統領補佐官を務めたが、ロシアのキスリャク駐米大使(当時)との接触が問題化し、就任からわずか24日で職を追われた。

ロシア介入疑惑捜査に絡む罪では、今年2月にトランプ氏の盟友、ロジャー・ストーン元被告に司法妨害などの罪で3年4月の禁錮刑が言い渡されている。

2016年大統領選のトランプ陣営選挙対策本部長、ポール・マナフォート氏には昨年、違法なロビー活動などを巡り、禁錮3年6月の実刑判決が下された。

トランプ氏は今月3日に行われた大統領選で敗北したため、来年1月20日に退任する見通し。

民主党は今回の恩赦を批判。下院司法委員会のナドラー委員長は「恩赦は不当であり、節操がない」との声明を発表。ペロシ下院議長は「重大な不正行為であり、厚かましい権力の乱用だ」と非難した。

一方、ホワイトハウスは「フリン氏は、そもそも起訴されるべきではなかった」と説明した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・アメリカ大統領選挙、敗残のトランプを待ち構える訴訟の山 検察による刑事捜査も
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力


ニューズウィーク日本版 ハーバードが学ぶ日本企業
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月30日号(9月24日発売)は「ハーバードが学ぶ日本企業」特集。トヨタ、楽天、総合商社、虎屋……名門経営大学院が日本企業を重視する理由

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スイス中銀、政策金利ゼロに据え置き 関税の影響を警

ビジネス

ユーロ圏銀行融資、8月も伸び加速 利下げが寄与

ワールド

中国の無人機専門家、ロシア軍需企業に技術支援か 現

ワールド

シャインマスカット栽培権、農水省がNZへ供与検討 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 2
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 3
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市場、売上を伸ばす老舗ブランドの戦略は?
  • 4
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性…
  • 5
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 6
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 7
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 8
    トランプの支持率さらに低下──関税が最大の足かせ、…
  • 9
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 10
    トランプは「左派のせい」と主張するが...トランプ政…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 5
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 6
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 7
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 10
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中