最新記事

バイデンのアメリカ

バイデン選挙公約実現のカギは、同い年の共和党重鎮ミッチ・マコネル

BIDEN’S FIRST 100 DAYS

2020年11月20日(金)06時40分
スティーブ・フリース

上院選でまだ決まっていないのは、ジョージア州の2議席。11月3日の投票ではどの候補も過半数に達しなかったので、年明けの1月5日に改めて決選投票が実施される。

そこで民主党が2議席とも勝利すれば50議席となり、50対50で共和党と拮抗する形になる。その場合、上院議長を兼ねるカマラ・ハリス新副大統領には最後の一票を投じる権限があるから、民主党が上院を支配できる。

しかしジョージアは伝統的に共和党の牙城だから、民主党2議席奪取の可能性は限りなく低い。言い換えれば、共和党は現有の53議席に届かないが、それでも上院の支配権を維持する可能性が高い。

そうなればバイデンの選挙公約を実現するのは難しい。誰もが医療保険に加入できるようにする改革も、最低賃金を連邦レベルで時給15ドルに引き上げる提案も、温暖化対策に巨費を投じる計画も、1000万を超す不法移民に一定の権利を付与することも困難になる。

それでもバイデンは、このコロナ不況から脱するための経済刺激策を成立させる必要がある。具体的には道路や橋の再建、緑地整備や上下水道の補修、電力網の近代化といった大規模なインフラ関連事業を通じて雇用を創出するための法案だ。

立場は敵だが親しい関係

「マコネルは、前政権の8年間を通じて、オバマとバイデンに徹底抗戦の姿勢を貫いた。今度の選挙でも、そのせいで共和党が議席を減らすことはなかった。だからマコネルには、今までのやり方を変える理由がない」と言うのは、オバマ政権時代にバイデンの首席補佐官代理を務めたスコット・ムルハウザー。

「マコネルらは従来どおりの抵抗姿勢を維持するだろう」

そのとおりだが、別な可能性もある。バイデンとマコネルは、長年の個人的な関係を合意形成に役立てるかもしれない。2人は共に1942年に9カ月違いで生まれ、ほぼ四半世紀にわたり上院で活動を共にしてきた。15年に亡くなったバイデンの長男ボウの葬儀にも、マコネルは参列している。

オバマ時代にマコネルの首席補佐官補を務めたロヒット・クマールによれば、バイデンとマコネルは互いに尊敬し合っており、それが結果を生んだこともある。

「私はこの2人が一緒に働くところを見てきた」とクマールは言う。「この2人なら協力関係を築けると思う」

当時上院民主党を率いていたハリー・リード(ネバダ州選出)との協議が暗礁に乗り上げたとき、マコネルが副大統領時代のバイデンに頼ったことが3度あるとクマールは言う。ジョージ・W・ブッシュ政権の大型減税が期限切れを迎える寸前の2010年、連邦政府の債務超過危機が迫った2011年、そして大規模増税と歳出削減の発動を余儀なくされる「財政の崖」に立たされた2012年のことだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:「オルバン長期政権後」に賭ける投資家、ハ

ワールド

中国がイランに防空ミサイル、供与を準備とCNN報道

ワールド

米とイランの交渉団がパキスタン入り、レバノン停戦な

ビジネス

経産省、ラピダスへの6315億円の追加支援決定 総
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 7
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 10
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中