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ボリビアに反米左派政権復活、「モラレスなきモラレス路線」で経済回復へ

2020年10月29日(木)17時15分
ジョシュア・キーティング

アルセ元経済相が勝利宣言(中央、10月19日) RONALD SCHEMIDT-GETTY IMAGES

<モラレスの後継、アルセ元経済相に期待されるのはコロナ禍で大打撃を受けた経済の立て直し>

ボリビアのモラレス前大統領が4期目を目指した大統領選で不正を行ったとして、抗議デモの末に国を追い出されてから1年。10月18日に大統領選が行われ、反米左派政権を率いたモラレスの後継候補、アルセ元経済相が勝利を宣言した。対抗馬で中道派のメサ元大統領は敗北を認めた。

アルセ新政権に求められるのは、何よりもコロナ禍で大打撃を受けたボリビア経済の立て直しだ。同国の新型コロナによる人口当たりの死者数は世界で6番目に多い。コロナ対策への批判の大きさから、モラレスの後を継いだアニェス暫定大統領は早々に出馬断念を決めていた。

ボリビアは10年に及ぶモラレス政権下で経済成長を遂げ、最貧困層の数は半分に減った。有権者は、モラレス政権で経済相を務めたアルセにこの功績を重ねて見る。

モラレスは選挙不正や独裁によって国民に愛想を尽かされた。だが今、この国で「モラレスなきモラレス路線」の復活が期待されている。

©2020 The Slate Group

<2020年11月3日号掲載>

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